小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまご・鶏のことわざ 記事一覧

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごのことわざ第62弾、今回は中国のことわざ。

<探卵之患(たんらんのうれい)>

お母さん鳥が巣から離れている時に、卵を心配する気持ちのことですね。

転じて、大切な場所を襲われることへの恐れのことを指します。

「探卵之患があるので、当面は一人で店を回そうと思います。」

のような使い方ですね。

――――――――――――

昔々、中国の「北斉」という国のお話です。

王様に対してある客が、

「強い鷲であっても巣を離れてしまったら卵を取られてしまう危険が生じます。王様が王宮を離れても良いのですか?」

と諫めたことがあった……という記録。それがこのことわざになっているのですね。

この王様、孝昭帝さんは減税して経済を立て直し軍事でも成果を発揮したやり手の王様でしたが、身内や政敵を謀殺したり結構物騒な人生を送っています。

そんな生き方に対して、

「王は王宮にいて後継の天子を育て支えて行くべきですよ。」という、心やすらかな生活をしてはどうかというアドバイスですね。

孝昭帝さんはまだ幼い先帝から立場を奪い更に殺して王様(帝)になったのですが、今度は自分が息子達に殺される事を恐れ、別の親族に皇位を譲っています。

上記のことわざのように、巣の卵を愛し心配するくらいの気持ちがあれば、また違った穏やかな人生となったのかもしれません。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(出典 :『北史』「北斉孝昭紀」)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年07月16日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ第61弾、今回はオランダの古いことわざ。

<最初の卵を産むには、最初の卵から始めないといけない>

(To lay down the first egg, you have to start with the first egg)

道理や順序を違えてはいけない

そういう意味ですね。

日本で言うと「千里の道も一歩から」でしょうか。

基礎ができていないのに

ついつい

『もっとラクで早い手段があるんじゃなかろうか。』

そう考えてしまうこともありますが、

やっぱり一手、一手順番に、ですよね~。

卵はお母さんニワトリの「卵管」という場所で2週間ほどかかって卵になります。

ほぼ毎日一個ずつ生まれますから、

でき始めの卵から→生まれる寸前の卵まで、

順々に『2週間分のたまご』がお腹に詰まっています。

最初に黄身

その次に白身

最期に卵のカラができます。

今日生まれたたまごは、

黄身ならば「2週間前」に

親鶏さんが健康で良い環境だったかどうかが影響し、

卵のカラが丈夫かどうかは

「昨日」の環境が影響します。

できる順番、このルールには例外は無いのです。

そういう意味では、

上記のことわざは人生訓として良い例えだな~と感じますね。

ちなみに、

このことわざを元にした巨大アートがあります。

オランダ人アーティストのハンク・ホフストラさんという方が、地元の街に作った物。

10年ほど前の短期間だけでしたが、かなりの反響があったとか。

ぜひ直接見てみたかった!

子供達にもことわざメッセージが伝わりやすいかもしれないですね~。

僕たちにとっては、

まず今日のお客様ひとりひとりに満足してもらうこと、

それを忘れてはいけないよ。

そういう基本に、立ち返りなさいよ、というメッセージです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:町に巨大目玉焼き出現!【オランダ】世界のたまごアート-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2020年06月12日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第60弾、今回は中国から。

 

<月に一鶏を盗み以て来年を待つ>

毎日鶏を盗み続けている男がいました。

知人がそれを見咎め注意したところ、

「わかった。じゃあ毎日じゃなくて『月に一羽だけ』盗むことにして、来年になったらスッパリ辞めるよ。」

と返答されてしまった…。

孟子さんと言う方のお話です。

 

この事から転じて、

「悪事ってのは、なかなかやめられないものだ」

「少しずつ止めよう、なんてただの詭弁だ」

という表現として用いられます。

 

まぁそうですよね。

悪事じゃなくっても、
たとえば禁煙やダイエット

「来年から!」なんて言葉が、
どれだけ信用性が無いかなんて、
みんな知っていますよね(笑)

 

そういえば今年は
ピエール瀧さん、沢尻エリカさん、
田代まさしさん再逮捕など
芸能人の麻薬所持逮捕が相次ぎました。

心理医のゆうきゆうさんはその著書で、
「やめられないこと」から脱却するには、
とにかくそこからスッパリと『距離を置くこと』
だけが唯一の解決方法だ。と述べています。

回数を減らす、
という中途半端な対策は本人も苦しいだけ、
依存から抜け出すことはできないんだそうです。

今月は師走ですが、
タバコにスマホゲームお酒・・・
中々…やめられないあなた様・・
「来年から」なんて考えずに『今!』
の決断をする勇気をもってみてはいかがでしょうか!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2019年12月12日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごのことわざシリーズ第59弾です。今回はデンマークから。

<賢い鶏でさえ、時々イラクサの中で卵を産んでしまう> Even clever hens sometimes lay their eggs among nettles.

日本で言うならば、「河童の川流れ」「猿も木から落ちる」でしょうか。

イラクサとは、葉や茎にチクチクする毛みたいな棘がいっぱいついている植物。

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なるほど、こんなところで卵を産んじゃったら、後が大変です。

 

◆ニワトリさんは賢いんです。
このことわざのちょっと興味深いのは、

「ニワトリさんが賢い」の代表なこと。

ニワトリさんは、日本でこそ

「三歩あるいたら忘れる」

なんて言われて

バカの代名詞あつかいですが、実は賢いんですね。

数もカラスと同じで「5」まで数えられますし、

何よりこのことわざで言われているように

自分で「判断」して、

かならず「安全なところ」に落ち着いてから卵を産みます。

私達のお届けするたまご、放し飼い農場では、

広い農場でどうやって毎日の卵を集めるのかというと、

「安全な巣箱」を作ってやるんですね。

そうすると、

ニワトリさんが「ここは安全だな。」と判断すると、

毎朝そこで必ず卵を産むのです。

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そして、飼育する人の顔だって、覚えてくれます。

いつもエサやりをしている人を覚えて、寄ってくるんですね。

 

◆賢いお前なのに…という伝え方
もう一つ。

「賢いのに…」という伝え方に、人と接する秘訣があります。

知人のK社長さんがおっしゃっていたのですが、

部下を叱る時には

「お前らしくないな。」

と伝えることが大事なんだそうです。

なるほど、叱る中にも、相手を尊重する気持ちが込められていますね。

認め合う関係だからこそ、厳しい言葉も伝わるわけです。

あなたの息子さん、部下が「イラクサにたまごを産むような」失敗をしたときに、「バカだな」、なんて言っちゃダメですよ!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2017年12月19日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ58弾、今回は中国・日本から

<一鶏鳴けば万鶏歌う>

たくさんの人が、カンタンに影響されてしまう事を指します。

なんでしょうね。現代で言うと、ツイッターの「炎上」さわぎなんかもこのコトワザにあたるでしょうか?

このことわざ自体は、あまり良い意味では使われません。

すごいリーダーシップと影響力がある人、・・のたとえではなくって、むしろ「軽々しく迎合してしまう大衆はオロカナコトダ…」というイメージですね。

鶏さんは確かに一羽鳴き始めると、周りもつられて鳴きます。

何かの拍子で「夜中」につられ鳴きすることだってあります。

不思議ですが、たまたま車のライトなどで目が覚めた鶏さんに、周りがつられたのかもしれません。

ちなみに「雄鶏は序列の高い鶏から順に鳴く」ことが英科学雑誌「ネイチャー」系誌発表の論文(基礎生物学研究所・新村毅ら)により明らかにされています。

基本的に序列の低いものが先導することは無く、じっと本能の欲求に耐え自分の出番を待つのだそうです。

してみると、上のコトワザ「一鶏鳴けば万鶏鳴く」は政治で言うポピュリズム、いや盲目的に従う武闘派ヤクザワールドを表現している・・・!?

予想外の波乱となっている今回の衆議院選挙、投票まであと10日ばかりですが、少なくともわれわれはカンタンにつられる万鶏さんにならないように、しっかりと自分の判断をしないといけないですねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2017年10月13日

 

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こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第57段、
今回は韓国から。

<雉の代わりに鶏
(きじのかわりににわとり)>

『次善の策』のことを言います。

韓国で最も『縁起の良い』
とされているのが「キジ」

なんですね。そして、

その次に『尊い』と
されているのが
「ニワトリ」です。

なので、
キジが手に入らない時は古来より

ニワトリを代わりに贈ったり
祀ったりしていたんですね。

 

朝鮮時代の書「東国歳時記」にも
『正月のお祝い料理』について

「キジ肉が無い時は
鶏肉でも大丈夫だよ。」

と記されており、

この諺のもとになった
とも言われています。

 

そして、
コレ面白いことに、

日本と韓国で
逆になっている

んですねー。

 

◆日韓で価値が反対!?

あまり認知が無いですが、

キジは日本の「国鳥」です。

 

「えー!? トキじゃなかったの?」

「ツルだと思ってた…!」

なんて声も聞こえそうですが(笑)

 

なのに、
興味深いことに日本では、

正月のお祝いには
「キジよりも鶏」
なんですね。

お雑煮には
全国で鶏肉を入れる習慣が
ありますが、

キジ肉を使うのは
青森県のホンの一部の地域だけ。

理由としては、

鶏は、
元旦の朝一番に鳴く
ことから、

一年の計をはかる
大切な存在、

とされてきたから。

 

それで
「正月のお祀りにはニワトリ!」
なんですね。

食文化の面からも、
なかなか興味深いです。

 

◆「次善の策」の人は後悔しない!?

さて、この
「雉の代わりに鶏」
のことわざ。

ようするに
「セカンドベスト」
の考え方ですが、

これ、
人生に素晴らしい効果があるんです。

 

心理学研究によると、

ある選択に際して

最も後悔しないのは、
その結果にかかわらず
決断までの時間が短かった人

なんだそうです。

 

決めごとだけじゃなく、
何か取り組んでいることで

「ちょっと時間がかかるなぁ。」

という場合に、

サッと
「次の手」を打てること

これが、
後悔のない結果につながるんですね。

 

迷ったときは
コインの裏表でも良いので、

とにかく「決めて」
次の行動に移る。

これが
後悔の少ない幸せな人生の秘訣
なんですねー。

 

してみると、
次善の策「ニワトリ」を
たくさん持っておくことも、
幸せの大きなポイントになるんじゃないでしょうか。

いま日韓関係がちょっとこじれていますが、
最高の条件でなくても次善の策・ニワトリさんでお互い「まずは解決に向かって手を打ってみる」ことができれば、また状況もかわってくるのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2017年10月2日