ちょっと珍しいレシピ本の世界②(ダリ「ガラの晩餐」)

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。
たまご料理って
普遍性がありますから、
古い文献やレシピ本を読むと
ヒントが多いんです。
その中でも、
珍しくてオススメな入手可能なものをご紹介。










というわけで、
前回ご紹介した画家モネのレシピ本に
続いて画家のレシピ本です。
シュールレアリスムの巨匠
サルバドール・ダリは
同じスペイン出身のピカソと同じく
生きている間に成功した画家さん。
彼は『卵』のカタチが
めっちゃ好きだったんですね。
「完璧なフォルムだ。」と評し
たびたび作品に描いています。
(詳しくは:レシピ本まで!?画家サルバドール・ダリ晩年のたまご愛 | たまごのソムリエ面白コラム)
なのに、
大成した晩年ちかくの
79歳の時(1973年)に、
『ガラの晩餐
(Dalí. Les dîners de Gala)』
という料理本を出版しています。
『ガラ』はダリさんが生涯大好きだった
奥さんの名前ですね。

このレシピ本、
画集っぽく魅惑的な盛り付け写真が
たくさん載っていてステキなんですが、
どの盛り付けも
さすが幻想画家だけあって
めっちゃ奇抜なんですね。
なんか夢で見た映像みたいな。

※ちなみに若いころに
戦時中の芸術家支援で開いた晩餐会でも
その奇抜さがちゃんと出ていまして、
その時もハイヒールに盛り付けしたり
奇抜な演出がニュースで話題になりました。
でも料理本のレシピ自体は
めっちゃ本格的でして
400年パリで続く
名店トゥールダルジャンの
シェフさんが協力していたり、

監修とこだわりがハンパなく
今でも十分通用するステキ料理ばかり。
たまご料理も
オススメです。
ダリ風ピータンは
ピクルスっぽい煮卵で、
各お店のこだわりにもアレンジしやすいです。

モノではなくストーリーや価値が
大事になる現代では、
このダリさんのレシピ
あなたのお店でも活かせる部分が
多いのではないでしょうか。
◆画家のストーリーで成功する飲食店

そして、アートの物語を
取り入れたメニューで大ヒットした
成功例があります。
たとえば
スープストックトーキョーさんは
「ゴッホの玉葱スープ」
「フェルメールの牛乳を注ぐ女のスープ」
など名画がテーマのスープを
4年前から出しています。

これ当初は一回かぎりの
期間限定企画だったのですが、
あまりに人気だったため
毎年秋の恒例企画になっているんですね。

単なるおいしさ以上の
物語と奥行きを出している
よい事例じゃないかと思います。
(もちろん味も美味しい!)
あなたのお店の
ご繁盛メニューのヒントになれば
幸いです。
ここまでお読みくださって
ありがとうございます。
(書籍:Dalí. Les dîners de Gala)


