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ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

たまごの健康情報(研究など) 記事一覧

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

子供をアレルギーにしない離乳食の食べ方』について、とっても興味深い研究報告がありました。

イギリス食品基準庁(FSA)の本年度研究発表によると、

『生後3ヶ月目から週にゆでたまご一個、大さじ一杯半のピーナツバターを食べ始めると、それぞれのアレルギーになる率が大幅に減る』

ことが判ったんですね。

 

◆卵アレルギーの発症率が4分の一に!?
イングランドとウェールズの、ランダムに選ばれた生後三か月の赤ちゃん1303人を2つのグループに分け、

一つ目のグループには、6か月目までお母さんの母乳だけで育て、その後アレルゲンとなる食品を食べさせました。

2つ目のグループには、(入念なアレルギーテストをした後に)生後3か月目から母乳とあわせて6種類のアレルゲンとなる食品(たまご・牛乳・小麦・ピーナッツ・魚・ゴマ)を調理して少しずつ食べさせました。

その後、3歳までのあいだに、どれくらい食品アレルギーが出たのかを調査したんですね。

その結果・・・・・・、

 

早いうちからアレルゲン食品を食べて育った赤ちゃんのグループでは、なんと平均で67%もアレルギー発症率が低いことが分かりました。

特に、卵アレルギー発症率は75%も下がっており、つまり一つ目のグループに比べて4分の一になっていたんですね。これはスゴイ。

もっとすごいのがピーナッツで、

1グル―プ(6か月目から食べ始めた)で試験した525人の赤ちゃんから13人のピーナツアレルギーが出たのに対して、早期(3か月目)に食べ始めたグループからは発症者ゼロ(!)でした。

研究者は、これらの結果から、『卵の白身を週あたり平均20グラム摂ると、卵アレルギーの予防になる』

と結論づけています。

◆日本でも同じ研究結果が・・・・・・!◆
日本ではお母さんの食事に関して同じような結果がでていまして、国立成育医療センター研究所が広島市内の公立小学校2年生全員の保護者約一万人を対象に調査したところ、 「妊娠中や授乳中の母親が卵をたくさん食べるほど、お子さんの卵アレルギー発症が少なくなる。」 という事が判明しています。 これも、発症率が5分の一に下がっていました。 離乳食の場合とよく似た結果ですね。

また、数年前ですが、フィンランドで1000人規模の調査を行い、やはり離乳食を早く開始することでアレルギー症状が少なくできることが報告されています。

ウチの息子は、約10ヶ月経ってから離乳食スタートしました。 冒頭の研究からするならば、ちょっと遅めですねー。

ただ幸いにしてアレルギーはありませんでした。 妻は妊娠中から上の論文通りに卵を食べまくってましたので、それが良かったのかもしれません。

 

◆なぜそうなるの・・・!?◆

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食べていると、アレルギーになりにくい。

このメカニズムですが、

「経口免疫寛容(けいこうめんえきかんよう)」が作用しているのではないか、と言われています。

なにやら難しい言葉ですが、ようするに

「食べて少しずつ取り入れると、ゆっくり体が慣れる」

ということですね。

本来人間には体に悪いモノを攻撃する“免疫”が存在します。

その免疫機能が、食べたものを「敵だ。」と認定して攻撃してしまうのがアレルギー症状でもあります。

それが、ちょっとずつ、

ちょっとずつ、

口から入ってくると、

「しょっちゅう入ってくるし、悪いヤツじゃないのかも・・・・・・?」

と、カラダが考えちゃう。

それで、攻撃する(アレルギー反応)をだんだん止めてしまうっていう仕組み・・・・・・。

これが、経口免疫寛容なんです。

最初は「失礼なやつ!」なんて嫌われていたマンガの主人公が、しょっちゅう会っているうちに「良いヤツじゃん・・・♪」 なんてふうにロマンスに変わるのと似ていますね。

消化機能が未成熟でアレルギーが起こりやすい幼児でも、「体に悪いモノかどうか」を判断する機能がちゃんと成立していて、それが『早い離乳食でアレルギーになりにくくなる』という効果を生んでいるのかもしれません。

離乳食のタイミングを考えているお母さん、ご参考となりましたら幸いです^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その1 – たまごのソムリエコラム

(関連:子供をアレルギーにしない、「お母さん」の食事 – たまごのソムリエコラム

(関連:ポリフェノールが卵アレルギーに効く!…山梨大研究チームが発表 – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2016年06月18日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

今年も、もうあとわずかです。この一年で見ると、たまご関連の健康ニュースが相次いでとりあげられていました。なぜなのでしょうか?

◆迷信があらためて否定された◆
本年のはじめ、3月ごろまでにかけて、日本では「たまご 一日3個食べても大丈夫!」といったタイトルのニュースがいくつもありました。

なぜ今年に入ってそのようなニュースが増えたのかと言うと、それは「コレステロール」に関する公式発表のため。

今年はコレステロール関連の大きな報告が上がっておりまして、

その一つは、合衆国厚生省と農務省が設置した米国食生活指針諮問委員会が出した「米国における食生活の指針」報告書。

最新の研究と膨大な量の過去研究論文を再検証した結果「食事によるコレステロール摂取と血中コレステロールの間に明らかな関連性はない」と結論付けました。

これを受け、取りすぎに注意!と言われていたコレステロールについて、米当局は『摂取量を制限する必要はない』という新たな見解を発表したんですね。 「コレステロールは過剰摂取を心配する栄養素ではない」と明言しています。

また、日本においても、動脈硬化学会が20年間の研究報告を再調査した結果、今年のはじめに「コレステロール値は食事で変わらない」という声明を出しました。 それを受け、厚生省はコレステロールの摂取上限を撤廃したんですね。

 

◆コレステロールを摂らないと老化が進む!?◆

コレステロールは、細胞膜をつくる重要な要素でして、これが不足するとお肌の細胞も一気に老化がすすみ、シワも増えることが知られています。

年をとっても元気でいるためには、ぜひともとるべき栄養源!なんです。

卵は栄養バランスの非常に良い食材ですが、コレステロールが比較的高いことを心配する人も多かったんですね。

それが、むしろプラスになる。

加えて、以前から卵の良質なコレステロールとあわせて、

卵黄中の「コリン」という物質が血中からコレステロールを素早く片付けてくれるため、血中コレステロールも下がるという事実が以前から知られていました。

動脈硬化などのリスクも、卵を食べることで心配することなく良質のコレステロールを摂取して老化防止につなげられる。

そういった点で、卵の良さが、再確認された一年だったんですねー。

来年は、もっとたくさんの方が、この事実を知ってくださると、

とってもうれしい!

です。

来年も、何卒よろしくお願いします^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年12月29日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

比較的新しい卵の迷信で「たまごかけごはんを食べるとハゲる」というモノがあるのをご存知でしょうか?

これは、40年ほど前の研究が、迷信の根拠になっています。

『マウスに生の卵白を大量に与えたところ、卵白中にあるアビジンという低分子タンパクがビタミンBの一種「ビオチン」とくっついてしまい、マウスがビオチン欠乏症になった。』・・・・・・という論文が発表されたことがその発端。

なんのこっちゃ?

つまり、体内に「ビオチン」が足りなくなると皮膚が脱毛や炎症を起こす、そして卵の白身がビオチン吸収を邪魔しちゃう、ということです。

これは迷信じゃなくて本当。

じゃあやっぱり、たまごかけごはんを食べるとハゲちゃうの・・・・・・?

いえいえ。

ビオチンは大豆やピーナッツなどの豆類、レバーなどの肉類にもたっぷり含まれていまして、さらに腸内細菌が体内でビオチンを合成をしちゃいますので、よっっっぽど沢山の生卵「だけ」を食べ続けないと欠乏による炎症はおこりません。

先のマウスで計算すると、問題となるのは、「毎日数十個」生で食べ続けた場合ですね。

したがって、毎日たまごかけごはんを食べてもハゲません。 世のお父さんがたご安心を^^

 

◆世界で見る、たまご食との相関は・・・?

さて、統計上のデータからも見てみましょう。

日本は世界トップクラスの卵消費国です。 少し前までは“世界一”でした。

じゃあ、世界の『ハゲ率』としてはどうかというと、

トップはチェコ、2位はスペイン、3位はドイツだそうです。 日本は14位。(「世界の成人男性薄毛率」データ 09年日経新聞) 統計的に見てもさほど卵と相関がなさそうです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:百年つづく「卵の迷信」をつくったウサギって!?-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年10月6日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

5月27日発行の学術専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表された研究によると、サラダはそのまま食べるよりも卵と食べることでビタミン吸収が飛躍的に良くなるそうです。

カロチノイドの豊富な緑黄色野菜、トマト・ニンジン・ほうれん草・レタスのミックス野菜サラダを、
(1)そのまま食べる
(2)たまご料理と一緒に食べる

のそれぞれの食べ方で食事してもらい血液を調べたところ(※)

なんと!

たまごと一緒に食べた場合、野菜に含まれるαカロテン、βカロテン、リコピンなどのカロチノイド栄養素の吸収量が4-5倍になったのだそうです。

つまり、卵と一緒に野菜を食べると、野菜の栄養をより沢山取ることができるんですね。

 

◆脂質の貢献度がすばらしい!
なぜ吸収量が上がるのかと言うと、それは鶏卵中の脂質が貢献しているから

ビタミンAの素になるβカロテンなどのカロテン類栄養素は“脂溶性”といいまして、水には溶けないけれども油には溶けやすい性質を持ちます。

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たまごの黄身に多く含まれる良質の脂質と一緒に食べることで、これら緑黄色野菜に多く含まれる栄養素が血中に吸収されるのを助ける効果があるんですね。

『じゃあ、脂質がある食べ物だったらたまご以外でも良いんじゃないの!?』 と思った方、ある意味ではその通りでもあります。

この研究をしているパーデュー大学のウェインキャンベル教授によると、「たまごほど最適とは言えないけれどもチーズなども有効かも。」と言っています。

ゆで玉子や温泉たまご・ポーチドエッグと共に、チーズをトッピングするのも悪くなさそうです。

ぜひお試しくださいませー♪

(※)味付けとドレッシングかけた状態を模して、実験では少量のキャノーラ油とクコの実を砕いてかけています。

(参照:“Effects of egg consumption on carotenoid absorption from co-consumed, raw vegetables” Am J Clin Nutr May 2015 ajcn111062

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年06月19日

 

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ようやくポカポカとあったかくなってきました。つい昼間にウトウトしてしまいそうな、ステキな陽気です^^

以前ご紹介しましたが、卵の白身たんぱくには「目覚まし効果」、つまり眠気を防止する効果があります。

これは、たまごの白身たんぱくを摂取することで脳神経細胞が活性化し、脳の覚醒をうながす「オレキシン」という神経物質を放出させるからなんですね。

しかも同ケンブリッジ大学の研究報告ではカロリー燃焼効果も同時に見られたそうで、ダイエットにも効果があるようです。

◆白身が効果的なたまごは・・・!?
朝の目覚めをシャッキリさせるために白身を効率的に食べるなら、少し大き目のたまご、Lサイズ以上が最適です。 黄身に比べて白身の比率が多いんですね。

ふんわりした食感になりやすいので、オムレツや玉子焼きで食べるとグッドかも!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:眠気対策には卵を食べよ。コーヒーを超える「卵白」のスゴイ効果! – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2015年03月30日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。梅雨ももうすぐ終わりですね!夏!海!たのしみですねー。

さて、薄着になってお肌の露出が増える季節になってくるわけですが、スベスベ美しいお肌を維持する秘訣として、たまごのある“成分”が注目されています。

それは、卵の薄皮、“卵殻膜”に多く含まれる「シスチン」という成分。このシスチンは体内で2つの「システイン」という物質に分解するのですが、システインは皮膚に存在して再生を助け、シミやソバカスを予防する働きがあると言われています。

このシステイン、いちおう体内のアミノ酸からも作りだされますが、お酒を飲んじゃったりするとその体内合成がジャマされちゃうんですね。 飲むと肌荒れする、ってのはコレが原因だったりします。 ツルツル美肌を維持するためには、いろんな食品から摂取する必要があるわけです。

そのために、このツル美肌の素「シスチン」がたっぷり含まれる卵殻膜が、大きく注目されているんですねー。 医学面からさまざまな研究がなされてまして、最近では卵のカラから集めた卵殻膜をサプリメントにした商品も販売されています。

◆江戸の昔からの知恵!たまごの薄皮のスゴさ

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もともと「卵の薄皮」は、やけどや傷を治す特効薬として重用されていました。 江戸時代には力士の間で「稽古の傷には卵の薄皮を貼るべし」として伝わっていたんですね。

このことは医学的にも実証されていまして、切り傷に卵の薄皮を貼るだけで細胞の増殖・治癒速度が速まることが判っています。

普段は食べない卵の部分にもスゴイ健康機能が隠されているんですねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。(^^)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2014年07月17日