小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

記事一覧

isra_destory201606_1.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

イスラエルのある倉庫で、パキスタンから密輸された40,000個の卵が発見され、速やかに破壊・廃棄されたそうです。

これは、警察と税務署・イスラエル卵業養鶏協会の共同作戦により発見されたそうで、たまごは古くなっていたわけではありませんがイスラエル国内基準にて管理されていたわけではなく、また表示の偽装された卵も一部見つかったそうですので、残念ながら食用としては適さないとの判断がなされたのだとか。

しょうがないですが、でも4万個ですか…もったいない!


◆実は、たまご大国イスラエル!◆
実はイスラエルの人はめっちゃ卵大好きです。 20年ほど前は
統計上、世界一の卵消費量でしたが、2000年代に入り統計データ発表を止めてしまったので、世界の消費ランキングからは外れています。

実際にイスラエルに行かれたことがある方は、あちこちにたくさんの卵料理を食べられる食堂があることに驚かれるそうです。

shaku_201607.jpg

写真はイスラエルを代表する料理、シャクシューカ。 たまご料理ですね!

中東の他の国でも食べられますが、アラブ圏ではひき肉を入れるのだとか。 イスラエルの方は玉ねぎピーマン・トマトなど野菜と卵のみですので、こちらの方がヘルシーですね^^

日本でも作れます。 クックパッドにも、何種類かのレシピが上がってますねー。

卵との絡みが絶品のおススメ料理です、ぜひ一度作ってみてくださいませ。

パキスタンからの密輸入も、「これが無くっちゃ困る!」というイスラエルのたまご文化が背景にあるのではないでしょうか。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

(参照:Globes English – 40,000 eggs smuggled into Israel destroyed)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2016年07月1日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

本日はちょっと面白い“絵本”をご紹介。

ツイッターで話題となっていたのを見て、どうしても欲しくなって買っちゃいました^^

2016-06-21 23.10.20.jpg

「きょうのおやつは」というタイトルでお料理(パンケーキ)をつくる内容の絵本なのですが、何が変わっているかっていうと、半分のページが「鏡」でできているんですね。

なので、全開じゃなくって90度だけ開くと、まるで“立体”のように見えるんです。

たまごをボウルに割るシーンはこんな風になります。

read_pic (3).jpg

ホットケーキにシロップをかけるシーンも、ちょうど容器の部分の絵を手で持つとリアル感(?)があって美味しそう!なかなかいいカンジです。

2016-06-21 23.13.53.jpg

上記のたまごシーンも、手でもつだけで、アラ本物っぽい。

料理途中の他のページも、従来の絵本と違う感じに見えて、とても新鮮です。

2016-06-21 13.32.12.jpg

さあ、我が子も大喜びか・・・!

と思いましたが、

1歳児にはチョット難しかったようで、読んだところ

??なんでいつものように180°開かないのか・・・??が気になってしょうがないカンジでした(–;)

ehonegg201606.jpg

あと半年?一年?ばかり待たなくてはいけないようです(汗)。

ただ、大好きなネコさんが出てくるので、気に入ってはいるようです^^;

ちょっと変わった切り口の絵本を探していらっしゃる方、おススメですよー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 面白たまご話 2016年06月28日

kotowaza201606.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご・鶏のことわざ36弾、今回は英語圏から。

<めんどりが鳴かないと卵は産まれない>If the hen does not prate, she will not lay.

『口やかましい奥さんの方が家庭がうまくいく』、という意味です。

良い奥さまは、夫のことを思って必要なことをどんどん指摘する奥さまのこと。

英語圏はどこも“男女同権”先進国、レディファーストのお国柄だからでしょうか。

差し出がましいことは言わない・つつましやかで控えめな方が良い・・・なんてのは欧米の価値観で言うと「そんなんじゃダメダメ!」ってカンジなのかもしれませんね。

ホーソン効果、という社会実験のお話があります。

デトロイトのある工場が、「照明あかるさ」が作業効率にどう影響するかを調べる実験をしました。

暗い方が良いのか、明るい方が作業効率が上がるのか……

さて結果を見ると、照明の明暗による差はありませんでした。

ところが!

面白いことに、

両方とも作業効率がグッと上がった」んですね。

・・・・・・!?

これはつまり、

『工場スタッフの頑張りを、実験者が注目している』

たったそのことだけで仕事の成果が大きく上がったということだったのです。

『見ている』、

つまり普段、気にかけて声をかけることで、人のやる気は上がる。

このことが「ホーソン効果」とよばれ、マネージメントの一つの指標として企業の現場でも活かされています。

ご家庭でも同じですよね。

上のことわざの意味としては、

奥様が「どーでもよいわ。」と無視に近い状態よりも、たとえ厳しい一言だとしても、あれやこれやと投げかけをすることで、「ちゃんと気にかけてもらっている」というプラスの気持ちが生まれるのではないでしょうか?

うるさく言うめんどりさんのおかげで、素敵な幸せ(卵)が産まれる・・・・・・そういう事ですね。

kotowaza201606_2.jpg

なんにせよ、ご家庭が明るいかどうかは、お父さんお母さん、そしてご家族にとって非常に大事です。 一緒に食卓を囲んで会話しながら食事しているかどうかで、子供の犯罪率が変わってくるという警視庁データもあるくらいです(参照)。 奥さまにかぎらず子供もトーチャンも、どんどん意見・会話をご家庭で重ねていくことが、うまくいく秘訣なのかもしれませんね。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:楽しみとガマンはワンセット(たまごの諺)その18-たまごのソムリエ日記

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年06月24日

rinyushoku201603.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

子供をアレルギーにしない離乳食の食べ方』について、とっても興味深い研究報告がありました。

イギリス食品基準庁(FSA)の本年度研究発表によると、

『生後3ヶ月目から週にゆでたまご一個、大さじ一杯半のピーナツバターを食べ始めると、それぞれのアレルギーになる率が大幅に減る』

ことが判ったんですね。

 

◆卵アレルギーの発症率が4分の一に!?
イングランドとウェールズの、ランダムに選ばれた生後三か月の赤ちゃん1303人を2つのグループに分け、

一つ目のグループには、6か月目までお母さんの母乳だけで育て、その後アレルゲンとなる食品を食べさせました。

2つ目のグループには、(入念なアレルギーテストをした後に)生後3か月目から母乳とあわせて6種類のアレルゲンとなる食品(たまご・牛乳・小麦・ピーナッツ・魚・ゴマ)を調理して少しずつ食べさせました。

その後、3歳までのあいだに、どれくらい食品アレルギーが出たのかを調査したんですね。

その結果・・・・・・、

 

早いうちからアレルゲン食品を食べて育った赤ちゃんのグループでは、なんと平均で67%もアレルギー発症率が低いことが分かりました。

特に、卵アレルギー発症率は75%も下がっており、つまり一つ目のグループに比べて4分の一になっていたんですね。これはスゴイ。

もっとすごいのがピーナッツで、

1グル―プ(6か月目から食べ始めた)で試験した525人の赤ちゃんから13人のピーナツアレルギーが出たのに対して、早期(3か月目)に食べ始めたグループからは発症者ゼロ(!)でした。

研究者は、これらの結果から、『卵の白身を週あたり平均20グラム摂ると、卵アレルギーの予防になる』

と結論づけています。

◆日本でも同じ研究結果が・・・・・・!◆
日本ではお母さんの食事に関して同じような結果がでていまして、国立成育医療センター研究所が広島市内の公立小学校2年生全員の保護者約一万人を対象に調査したところ、 「妊娠中や授乳中の母親が卵をたくさん食べるほど、お子さんの卵アレルギー発症が少なくなる。」 という事が判明しています。 これも、発症率が5分の一に下がっていました。 離乳食の場合とよく似た結果ですね。

また、数年前ですが、フィンランドで1000人規模の調査を行い、やはり離乳食を早く開始することでアレルギー症状が少なくできることが報告されています。

ウチの息子は、約10ヶ月経ってから離乳食スタートしました。 冒頭の研究からするならば、ちょっと遅めですねー。

ただ幸いにしてアレルギーはありませんでした。 妻は妊娠中から上の論文通りに卵を食べまくってましたので、それが良かったのかもしれません。

 

◆なぜそうなるの・・・!?◆

meneki01.jpg

食べていると、アレルギーになりにくい。

このメカニズムですが、

「経口免疫寛容(けいこうめんえきかんよう)」が作用しているのではないか、と言われています。

なにやら難しい言葉ですが、ようするに

「食べて少しずつ取り入れると、ゆっくり体が慣れる」

ということですね。

本来人間には体に悪いモノを攻撃する“免疫”が存在します。

その免疫機能が、食べたものを「敵だ。」と認定して攻撃してしまうのがアレルギー症状でもあります。

それが、ちょっとずつ、

ちょっとずつ、

口から入ってくると、

「しょっちゅう入ってくるし、悪いヤツじゃないのかも・・・・・・?」

と、カラダが考えちゃう。

それで、攻撃する(アレルギー反応)をだんだん止めてしまうっていう仕組み・・・・・・。

これが、経口免疫寛容なんです。

最初は「失礼なやつ!」なんて嫌われていたマンガの主人公が、しょっちゅう会っているうちに「良いヤツじゃん・・・♪」 なんてふうにロマンスに変わるのと似ていますね。

消化機能が未成熟でアレルギーが起こりやすい幼児でも、「体に悪いモノかどうか」を判断する機能がちゃんと成立していて、それが『早い離乳食でアレルギーになりにくくなる』という効果を生んでいるのかもしれません。

離乳食のタイミングを考えているお母さん、ご参考となりましたら幸いです^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その1 – たまごのソムリエコラム

(関連:子供をアレルギーにしない、「お母さん」の食事 – たまごのソムリエコラム

(関連:ポリフェノールが卵アレルギーに効く!…山梨大研究チームが発表 – たまごのソムリエコラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2016年06月18日

tamagoikko201606.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

 

モノの「コンパクトさ」を謳うのに、

重さはわずか卵一個分!

なんてキャッチコピーを時々目にします。

こういう広告を見るたびに、

「どのサイズを想定してるのかなァ・・・??」

と気になっています。

卵一個の重さ、

といってもかなりの幅があるんですよねー。

 

◆法律で決まっている!たまごのサイズ
日本で流通している鶏卵の規格は、SS・S・MS・M・L・LL・3Lと細かく区分されていまして、それによってサイズも重さも全然違うんですね。

例えばこの商品。

ikkobun_omosa.jpg

こばやしが愛用している携帯向けバッテリーで、販売サイトを見ると「卵一個分」とPRされています。 スペック重量は「70g」となっています。(http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140610/prl14061010380037-n1.htm

70g…、たまごの規格で言うとLLLのちょうど間くらいですね。

皆さんが普段目にする卵よりは、ちょっと大きいサイズですね。

もちろん「卵一個分」ではありますが、

日本で一番流通している「M」サイズの卵をふだん使っている方は、

あなたのイメージより実質15%は重い計算になります。(^^;)

お買い物をされる際には、ちょっとだけご注意を。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2016年06月15日

bis_201605_2.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

偉人と卵のエピソード第6弾。

今回は
19世紀ドイツの伝説的宰相、
ビスマルクさんです。

ドイツ帝国の首相として
辣腕を振るった方ですね。

諸侯によってばらばらだった
小国プロイセン王国をまとめあげ
ドイツ帝国を確立し、

領土拡大を狙うナポレオン3世
率いるフランスを封じ込めるために
オーストラリア・イタリアと同盟を
結びイギリスやロシアとも協調、

また
エスカレートしていた
アジア・アフリカの植民地奪い合いも

各国の思惑を巧みに操り
均衡させてしまう・・・・・・

とんでもない外交実力者
だったお方です。

 

なにせ
19世紀後半期から
第一次世界大戦までのあいだ

欧州において
ピタリと戦争がなくなった
のですが、

これは
ビスマルクさんの
たくみな外交手腕のおかげ
と言われています。

うーん、すごい!

 

◆日本でも大人気だったビスマルクさん◆

彼は、ドイツを大国にするため
「強いドイツ」を呼びかけ
軍備拡張をおこなったことから、

「鉄血宰相」

のあだ名で呼ばれていました。

 

日本でも、
この方の大ファン(?)が
当時たくさんいまして、

bis_rekisi201605_2.jpg

明治の総理大臣、伊藤博文サンは
ビスマルクさんのマネをして
人前で葉巻を吸っていましたし、

“陸軍の父”山縣有朋さんは
家にビスさんの銅像を飾って
「日本のビスマルク」を自称していました。

 

旧500円札でおなじみ
岩倉具視さんや、

明治維新の立役者・大久保利通サンも

「あの人はスゴイ!大先生だ!

と手紙で評しており、
大きな感銘を受けていたようです。

 

 

◆大人気!ビスマルク風料理とは!?◆

bisstyle01.jpg

さて、
このビスマルクさん
卵料理が大っっ好き
だったんですね。

とにかくいろんな料理に
たまごをつけ合わせることを
好みました。

「ビスマルク風」

という料理があります。

 

日本でいちばんメジャーなのは、
「ビスマルク風ピザ」でしょうか。

目玉焼きや半熟たまごを乗せた料理
のことを指します。

 

もともとは、
ビスマルクさんがステーキに
目玉焼きを乗せて食べる
のが大好き
だったことから、

『目玉焼きを乗せた料理』のことを
ビスマルク風
と言うようになったんですね。

bisstyle02.jpg

これがまたウマい!

 

ハンバーグやピザ、
それだけでも十分美味しいですが、

目玉焼きが横に
チョッと乗っている

それだけで
子供からおジイさんまで大満足!
さらなる笑顔の素敵メニューにランクアップです。

 

たまごの半熟黄味は
旨みたっぷりですから、

料理の塩かどや辛みを
まろやかにしてくれ、

またとろみで口当たりを
滑らかにすることで
より濃厚に肉やチーズのうまみを
引き立ててくれます。

「ビスマルク風」は、
美味しさの観点から実に理にかなった
料理なんですねー。

 

◆美食と質素のとりあわせ

このビスマルクさん、
ドイツ国家の礎を創った方にもかかわらず、
私生活では

「イスとテーブルさえ
あればいいんだ。」

という質素な人柄だったそうです。

清貧な生活を唯一彩る、
美味しい卵料理・・・
・・・なかなか興味深いです。

 

外交手腕をふるっただけではなく、
全国民加入の社会保険制度を立ち上げるなど、
たくさんの方の幸福を願ったビスマルクさんと、

どんな料理でも相性抜群、
お皿の上に表現される
ビスマルク風たまご料理の幸福。

納得のいく組み合わせじゃないでしょうか!

ここまでお読みくださって、
ありがとうございます。

関連:超たまご好きだったモーツアルト – たまごのソムリエ面白コラム

関連:川の水をくみ、自分でゆでたまごを茹でていたフランス王 – たまごのソムリエ面白コラム

関連:2週間で9kg減!?鉄の女・サッチャー首相のたまごダイエットレシピ- たまごのソムリエ面白コラム