小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第39弾、今回はフランスです。

<卵を盗むものは、牛も盗むようになる>He that will steal an egg will steal an ox.

最初はちいさな出来心であっても、だんだんと大きな犯罪をするようになる、そんな意味です。

日本で言うと「うそつきは泥棒のはじまり」でしょうか。

最初っから大それた悪いことをする人って、いないんですよね。

まァ、これくらいならいいか。

そういう小さな気持ちがだんだんと倫理観を壊していくんですね。

だから、子供がズルをしたときやウソをついたとき、

はたまた友達のものを壊したとき、

厳しく叱ることがとっても重要なんです。

万引きでも、最近は「かならず警察に通報する」のが主流となっているそうです。

「悪いことは悪い事」ということに早めに気づかせること、

意外と思っているよりもずっと大事なことなんですねー。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

関連:たまごのソムリエコラム・・・たまご・鶏さんのことわざシリーズ一覧

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2016年09月23日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

「卵が先か、鶏が先か」

という言い回し、耳にしたことがあるんじゃないかと思います。

日本語で言うと「イタチごっこ」でしょうか。

実は西洋では昔っから、
いろーんな分野で「どっちが先か」を真剣に議論しているんですね。

新たな解釈が出るたびに、
ニュースになるくらい。

たとえば、6年前には
『鶏体内中のあるタンパク質が無いと、卵の殻ができない』という事が英国の大学共同研究により判明し、「ついに解明!鶏が先だ!」と大々的にニュースにもなりました。

CNN.co.jp:「鶏が先か、卵が先か」の謎、ついに解明?2010.07.15

 

とはいえ議論は続いてまして
例を挙げますと、
つい先週のyoutubeにも同様の話題が出て

その結論はさっきと逆の『卵が先
となっていて、アクセスも多く議論の的となっております↓

さて、“各分野”でこれまでに出された意見をご紹介しますと、、、

 

<生物学的には>
「“卵をつくるタンパク質成分”を鶏が持ってるから、鶏が先!」
「『鶏っぽいもの→卵→鶏』と進化したので、卵が先!」
とさまざまな意見から議論中

<数学では>
卵の数⇒育った鶏の羽数を予想” “親鶏の数⇒生まれた卵の個数を予想”と、どちらも数学的にやってみたら、前者だけ予想できた。だから卵が先。(グレンジャー因果性予想なるものを使います)

<宗教的には>
聖書では『神が「鳥は地に増えよ」と祝福し、創造した』とあるので、鶏が先。
でもヒンドゥー教では『「宇宙の卵」から世界は生まれた』とあるので、卵が先。(ちなみに聖書には“鶏卵”は一語も出てきません)

<日本では…>
記録としては、ダントツで鶏が先。
神話のなか、つまり「古事記」「日本書紀」にはすでに「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」こと鶏サンの記述があります。 とはいえ体も小さかったため食用にはなっておらず、祭祀のために飼われたのが最初のようです。
(ちなみに“卵”も古事記には出てきますが、“雁”の卵。 おしい!)

そして、僕の仕事、“食”の観点、つまり

食材として>という点から考えると、

これはダントツで
「たまごが先」・・・!

なんですねー。

 

◆食べるためじゃなかったニワトリさん

ニワトリはもともと、

たまごを産んでもらうのが目的

で飼われていたんです。

 

食材としての卵は歴史が古く、

紀元前の古代ローマでも
たまご料理が広く食べられていました。

対して、
鶏肉を食べるのはたまごを産まなくなった後のニワトリさんのみ。

当然老いてますし、あんまり美味しくなかったようです。

 

『食肉用畜産』として飼うには、
ウシや豚・ヤギと比べて内臓比率が多く腐りやすいため、不便だったんです。

 

おいしい「若どりの鶏肉」が広く食べられるようになったのは、なんと19世紀以降。

冷蔵技術が発達するまで量産されませんでした。

卵の広まりとは、じつに2000年以上の開きがあるんですねー。

 

以上、「卵が先か鶏が先か」の大激論をご紹介しました。

何はともあれ、
どちらも美味しく食べられる現代に感謝!ですね^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:wikipedia)(ニワトリ愛を独り占めにした鳥・光文社)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごのビックリ科学 2016年09月20日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

パソコンは「良く使う言葉」の変換を優先的に出してくれるわけですが、ソコにちょっとだけ問題があります。

「飼料」

「資料」

を、ほぼ同じくらいの頻度で使うため、どっちが上位の変換に来るかが毎回違っていてイライラするんです。

うっかり気を抜くと、

『飼料を添付しますので、ご確認よろしくお願いします。』

なんて文章を送ってしまいます(^^;)

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エサが送られたら、ビックリするだろうなー。

逆に『配合資料の成分が・・・』

なんて文章になることも

他にも、

ブログでちょこちょこ書いているためか、

「統計」と「闘鶏」

がときどき順番が入れ替わっていて大変ややこしいです。

「闘鶏データ」によると・・・

なんて書くとギャンブルマニアみたいですね^^;

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2016年09月17日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

米国で、都市部を中心に人気拡大中の宅配サービス「ブルーエプロン」。

何がすごいって、

700近くのレシピが公開されており、

それをクリックするだけで毎週、

『必要な調味料の分量までピタリ揃った食材』が自宅に届く

そういうサービスなんですね。

まるでレストランのような素敵な料理が、

カンタンに家で作れるわけです。

ウチは子供がまだ小さいので生協の宅配サービスを利用していますが、

これの高級料理版、かつ選び放題!みたいなカンジでしょうか。

ありそうで無かったサービスとして急成長しているようで、

一年前には「月間100万食突破!」のニュースを目にしましたが、

先月には「月間800万食突破」のニュースが・・・。

すんごいですねェ。

また、このブルーエプロン、利便性だけじゃなく、

食材そのもののこだわりもすごいんだそうです。

◆たまごの容器がちょっとステキ
当然「たまご」も宅配食材の中にあります。

「必要な分だけ届く」

のがウリですから、卵も1パック!なんてェことはありません。

一個単位。

容器も特注で、こんなカンジ。

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あらカワイイ!

しっかりとした耐衝撃性が確保されているようですね。

◆資源のムダを救えるか・・・!?
ブルーエプロンいわく、米国では「収穫後の食材のうち31%が食べずに廃棄されている」のだそうです。

「食材の余りとして」ですね。

たしかに冷蔵庫で傷んでしまって、泣く泣く廃棄、

何て事ありますもんね(ーー;)

でも、

「ちょうどの量」に小分けされることで、

捨てる食材が無くなるわけです。

なるほどー。

とはいえ、その代わりに、

小分けする容器がたーくさん必要になりますので、

その部分で批判もあるようです。

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うーん。

生分解プラスチックなども使う事で対応しているようですが、

なかなかむずかしいですね。

商売柄、

美味しい食生活が増え、無駄なくすべて食べていただくこと、

この考えにはとても共感できるので、頑張ってほしいです^^;

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること 2016年09月13日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日小学生の息子と地元博物館の「恐竜展」に行ってまいりました。

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本物さながらに動くアニマトリクスT-REXもいて、

ワクワク楽しい内容がたっぷり。童心にかえるひとときでした^^

さて、みなさんは「オビラプトル」という恐竜をご存知でしょうか?

白亜紀のモンゴルにいた中型の雑食恐竜なのですが、

この名前、直訳すると

「たまごどろぼう」という意味なんですね。

なぜそんな名前が付いたかというと、

沢山の卵がある「巣の化石」のそばで発見されたから。

「たまごを狙って盗んでいたんだろう。」

と考えられまして、

命名“たまご泥棒(オビラプトル)”となったわけです。

ところがのちの研究により、

この「巣のたまご」が、

オビラプトルさんの卵であることが判明したんですね。

ようするに、

お母さんが子供のそばにいただけで

「誘拐犯」とアダ名を付けられちゃった

みたいなカンジなわけです。

うーむ。

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なんとも気の毒(?)ですが、学名として決まっちゃったため

今にいたるまで「たまご泥棒」の名で呼ばれているんですね。

ちなみにこのオビラプトルさん、

「抱卵」している化石も見つかっておりまして、

羽毛があったり、温血だったんじゃないかとも言われてまして、

そうなると鳥さんに近い見た目だったかもしれないんだそうです。

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どうでしょう!?

似てるっちゃぁ似てますでしょうか。

そういえばジュラシックパークでおなじみ、

ティラノサウルスさんは

ニワトリさんにかなり近い遺伝子」を持っていることが

最新の研究で分かっているそうです。

なんというか恐竜を見るにしても、

たまご屋として小さいころとはマタ違った親しみを感じますね^^

ここまでお読みくださってありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2016年09月10日

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こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

たまごと偉人のエピソード第8弾、

今回は卵ではなくて鶏さんとのエピソード、昭和の名力士、双葉山のお話を。

前人未踏の69連勝、比肩するものなしと言われる双葉山が、生涯心に刻んだ故事があります。

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その昔、中国の王が闘鶏使いの名人に鶏を預けました。

10日たったときに、

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「もういいか?」と尋ねましたが、

名人いわく

「まだ空いばりばかりで使えませぬ。」

さらに10日後にたずねると、

「まだダメです。相手の声や姿に興奮しております。」

またまた10日後にたずねると、

「まだですね。敵を見ると、なにをこやつがと見下すところがあります。」

さらにさらに10日後。やっと名人のOKが出ました。

「まあよろしいでしょう。他の鶏が鳴いても少しも動じることがありません。ちょっと見ると木鶏のようです。 徳が充実しています。 天下無敵です。」

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双葉山は、若いころにこの話を聴き、

この“木鶏”という言葉を額に飾り、

朝に晩に静座して心に刻んだのだとか。

その結果としての、69連勝という大記録が生まれたんですね。

自分自身の精進として、

「いったい何日目の鶏なんだろうか?」とつねに問いかける。

誰にでも共通する、

大事な考え方ではないでしょうか。

ちなみに日本大百科全書によると、日本の“闘鶏勝負”は『土俵上で行い、勝負は戦意を失ってうずくまるか、3回以上土俵の外に飛び出したほうを負けとする。』とあります。

まさに相撲を彷彿とさせる勝負で、

こういった面からも

双葉山は闘鶏のエピソードに強く感じるものがあったのかもしれません。

ちなみにこばやしはこの「木鶏」エピソードを、

中学生の時に『ああ、播磨灘』という相撲マンガで読んで知りました。

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大人になり、陽明学者「安岡正篤」さんの本を読ん

ふたたびこのエピソードに触れ、

「あ、この話は・・・!」と思い出したんですね。

この安岡氏が双葉山に伝えたお話だと知って、驚いた次第です。

ちなみに双葉山は、69連勝でストップした際に安岡氏に「いまだ木鶏たりえず」という電報を打っています。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

※この木鶏のお話、出典は中国古典の『荘子』