小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

記事一覧

117oldest_egg.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

このほどギネス記録、最高齢117歳となられたイタリアのおばあちゃん、エマ・マルティナ・ルイジアモラノさん。

インタビューに対して、

「長生きの秘訣は2つあるよ。」とおっしゃり、

その一つが生卵を毎日食べることだそうです。

正確には、

毎日生卵2個+加熱料理した1個を食べること、そして挽肉とパスタを少し。年をとってからは生卵2個とクッキーを少しだけ。」

この生活を100年続けたことが功を奏したんだそうです。

うーん、すごい!

◆完全栄養食な卵!
たまごは人体に必要なアミノ酸を、カンペキなバランスで備えてており、

完全栄養食、とも言われる食材なんですね。

必要なアミノ酸割合を示す『アミノ酸スコア』においてもなんと“100点満点”。

なので、毎日たまごを食べるのは、全く理に適っているわけです。

エマさんは、10代のころに、貧血対策としてお医者さんから生卵食を勧められ、

ずっと続けてきたんだそうです。

 

◆“健康寿命”に特に効く!
たまごはバランス良い栄養から長寿に良いのはもちろんですが、

特に効果があるのが「健康寿命」の延長

つまり、歩いたり走ったり泳いだり、自転車に乗ったり、

そんな健康な生活ができる年齢を健康寿命と言いますが、

東京海洋大学 矢澤教授は著書の中で、

卵黄に含まれる「ホスファジルコリン」は細胞から老廃物排出を活発にし、血管障害やアルツハイマー病予防としても大いに効果が期待できる。すなわち健康寿命を延ばすのに最も効果的な食材である。(著・現代書林)

と述べています。

その他にも、脳を強化すると言われる“オメガ3脂肪酸”、葉酸、ビタミンB12、鉄分、そして卵黄には目に良い成分ルテインなども沢山含みます。

いくら長生きしても、何十年も寝たきり・・・では意味がないですよね?

やっぱり元気な生活で長生きが一番、それには卵の効果が大きいようです。

ちなみに黄身は生の方が吸収されやすく、白身は加熱した方が吸収されやすいので、

エマさんにお医者さんが生食を勧めたのは、

黄身の栄養をよく採ってもらうためなんじゃないかと思います。

 

ただし、

日本と違って海外では生食前提でないため飼育管理が日本と異なり、

生食は危険だったりします。

このニュースを受けて、オーストラリア食品安全情報評議会が

「オーストラリアでは卵の生食はアブナイので注意してね!」

というコメントをあわてて出しています^^;

モチロン日本ではそんな心配ありません。

日本の食文化にに感謝!ですね。

 

さて、話を戻しまして、

エマおばあさん、もう一つの長生きの秘訣。

それは、

「離婚がちゃんと合法だったこと」

だそうです(笑)

乱暴だった夫と別れられたことで、

「誰にも支配されなくなったことがとっても良かった。」のだとか^^

生たまご食と併せて、

「いいね、両方とも早速やってみよう!」なんて考えた方、

それはそれで、オオゴトになっちゃうかも!?

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(参照:Oldest living person credits raw eggs, independence – CNN.com)

(参照2:Warning against eating raw eggs - skyNEWS)

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2016年12月8日

niwatorijirai201612.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

先日、「この世界の片隅で」という話題の映画を観てきました。

戦時中の軍港がある呉市が舞台でしたが、反戦がモチーフの映画ではなく、

一生懸命に生きる人々の温かいドラマが心に沁みる名作でした。

さて、

冷戦中には軍拡が進み、いろんな兵器が開発されました。

その中に、ニワトリさんを使った兵器があったのをご存知でしょうか?

『ブルーピーコック』という名の

ニワトリ稼働式『核地雷』です。

なんだかすごくシュールなカンジですね。

核地雷って・・、

ゴジラ相手にでも準備してそうな・・・。

どんなものかというと、

ソ連地上軍の侵攻を防ぐために開発された

重さ7トンもある巨大核兵器です。

開発したのは英国。

1954年ですから、60年以上前ですね。

地雷と名がつくとおり地面に埋める兵器で、

ひとたび稼働すると、

爆発により深さ180mもの巨大クレーターができ、

広範囲に放射能の被害をまき散らして長期間侵攻を阻むという、

なかなか最悪の大量破壊兵器です。

で、“ニワトリ稼働”、って何のことかといいますと、

実はこの兵器の弱点が

「地雷なので冷たい地中では電子部品が凍ってしまう」こと。

ニワトリさんはそれを防ぐための「あったか生体パーツ」だったのです。

電子部品のそばにニワトリさんを餌と水と一緒に入れておいて、

そのぬくぬくの温かい体で凍らないようにあっためたわけです。

ひえー。

ひどい発想ですねェ。

ドイツ北部への実践配備ということで10発が英国陸軍によって発注されましたが、

同盟国には「野戦用の原子力発電設備」と偽って開発していたことや、

放射能の影響リスクがすごいことから、開発四年後に

「こりゃやっぱりダメだ。」

ということでプロジェクト中止となりました。

 

◆あったかいニワトリさん
ちなみにニワトリさんは人間よりも体温が高くて、

平均体温は42℃。

寒さには割合強い(逆に暑さには比較的弱い)のが特徴です。

だっこすると、ふかふかの羽毛とあいまって、とっても幸せな気分になります^^

こんな素敵なニワトリさんの「良いところ」を、

大量破壊兵器に利用するなんて、こりゃ許せねェ・・・!

、というのが私の気持ちです。

愚かな試みの象徴として、ニワトリさんの名前とともに記録が残り、

現在は英国に一基だけ試作機が残されています。

英国で情報公開された当初は、「エイプリルフールに違いない」

として多くの方が信じようとしなかったそうです。

まぁ、そりゃそうですよねー^^;

 ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:たまごのヘンな研究(イグノーベル賞)その1_ひよこ核融合-たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2016年12月6日

eggmagic20161203.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

12月3日はワンツースリー!で「マジックの日」です。

毎年恒例4回目!「世界の卵マジック」をご紹介。(その1)(その2)(その3

まずは、ご存知マリックさんのたまごマジックです。

◆Mr.マリックの生卵トリック
桜吹雪(紙吹雪)と生卵を使ったトリックですが、さすがのインパクト大です。

マリックさんは、今でこそバラエティ番組でギャグめいたこともやられますが、若くしてマジック世界大会のテーブルマジック部門で優勝するなど、その超絶すごい技術と圧倒的な演出力に彩られた日本を代表するエンターティナーです。

なにせ、「超能力だ!」って多くの視聴者が信じこんで、社会現象になっちゃうくらいですから。

マリックさんは割と「たまごマジック」も色々演じておられまして、

古典的な卵マジックの現代風アレンジも素晴らしく、大変勉強になります。

ちなみにマリックさんの書かれたマジック本は判りやすく良質のネタも沢山紹介されておられます、忘年会向けに習いたい方にもおススメです^^

動画に移っているもう一方のマジシャン「ムッシュ・ピエール」さんは関西のプロマジシャン。

プロデビュー前の学生時代から「すごいのがいるぞ。」と有名な方でした。 私も学生でしたので、ご一緒に夜通しお話して、トランプマジックのアレンジを教えていただいたのは、とても良い思い出です^^

 

◆ジョルジュ・メリエスの『多産な魔法たまご』
今度はちょっと趣向のちがう映像を。大変古いものです。

撮られたのはなんと1909年、百年以上前ですね。

手に卵を持って握ると消えたり出たり、それを放り投げると・・・!

動画を見た方はお気づきのとおり、これは厳密に言うとマジックではありません。

この演者、ジョルジュ・メリエス氏は

「世界初のストーリー映画」を作った、歴史上初の“映画監督”なんですね。

ちなみにこの動画の翌年に撮った「月世界旅行」がその映画で、

初のSF映画でもあります。

実はメリエス氏は元マジシャンでして、「映像分野でマジックのようなことができないだろうか。」と、色々考えたんですね。

そして、試行錯誤の中で生まれたのが上記の映像です。

手つきもさすがマジシャンらしく、見せ方やテンポも現代のマジックショウで十分通用する素晴らしさです。

余談ですがこの映像を撮った場所は、パリにある「ロベール・ウーダン劇場」。

この劇場を建てたロベール・ウーダン氏は、魔術師みたいなカッコウだった怪しい当時のマジックショウからカッコイイ燕尾服のマジックを確立させた、「近代マジックの父」。

近代マジック発祥の地で、

SF映画の父が「卵マジック」を撮影したなんて、

マジック趣味のたまご屋としてなんだか感慨ぶかいです。

しかし、

ジョルジュ・メリエス氏が現代の特撮映画「シン・ゴジラ」や「ハリーポッター」なんかををみたら、さぞや驚くでしょうねー。

では、来年の12月3日に、また卵マジックをご紹介します!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ワクワクすること , マジック 2016年12月3日

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

新潟・青森で連続して鳥インフルエンザが発生、殺処分となっております。

ご不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

一昨年に鳥インフルエンザについて書かせていただいたのですが、

下記に再掲させていただきます。

鳥インフルエンザの怖くない話 – たまごのソムリエ面白コラム

toriinhuru_robo.jpg


・鳥インフルエンザが発生確認され140年、卵や鶏肉を食べて感染した人はいない。

・私共のような洗卵選別場にて洗浄された卵は、基本的に次亜塩素酸殺菌水などでインフルエンザウィルスは死滅する。

このようなことについて、あれこれ書かせていただいております。

また、農場にても、野鳥などの侵入防止、車や人含めた殺菌による感染防止を十全に行っております。

より安心安全にお召し上がりいただけますよう、取り組んでまいります。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます^^

カテゴリー | ソムリエ日記 , 安心安全 2016年11月30日

tamagohyakuchin201611_2.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

江戸時代のベストセラー料理本「万宝料理秘密箱 卵百珍」(1795年)にある玉子料理レシピ107種を、

国立情報学研究所と国文学研究資料館が現代文に翻訳、

さらに現代レシピを追記したうえでデータベースとして公開されています。

そしてなんと!

あの日本最大のレシピサイト『クックパッド』でも公開されているんです。

クックパッドの「卵百珍」特設サイト

11月24日「和食の日」にちなんでの公開とのことで、

これはステキな取り組みですねー!

以前当ブログでもご紹介した「卵百珍」、

私も原文の本を読んだことがありますが、

当たり前ですが江戸の言葉で、分かりにくいんです^^;

それを、誰でも読めて、

しかも作った料理をクックパッドで「つくれぽ」として公開-共有できるんですよ!

つくれぽ写真がどうして重要かというと、

「文献だけではどんな見た目の料理かわからない」

からです(–;)

「あー、こんなステキ料理だったか。 これは作ってみたい!」

なんてなるわけです。

美味しいのに現代ではあまり作られていない料理もありますので、

みんなの作った写真や現代風アレンジがどんどん出てくれば、

“和風たまご料理の世界”がさらに広がっていくかとおもいます^^

たとえば江戸時代のオムレツ「うずらたまご」なんて、

薄切りにしてお刺身みたいに食べるのも良いらしいのですが、

ちょっとワクワクする、新しい世界ですよね!?

ぜひ皆さまもチャレンジしてみてくださいませ♪

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:公開された『万宝料理秘密箱 卵百珍』レシピ一覧(国文学研究資料館)http://codh.rois.ac.jp/edo-cooking/tamago-hyakuchin/recipe/)

(関連:江戸の包み玉子と英国ポーチドエッグの最新調理器 – たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム 2016年11月29日

risouniwa201611.jpg

こんにちは!たまごのソムリエ・こばやしです。

民俗学の論文を見ていたら、「古来より韓国男性の理想像は鶏である」と書かれていました。

“鶏三賢”なるものが理想なんだとか。

『鶏さんのイイトコロ3つ』とは、

・妻子を養う

・家族を守る

・時を知る

です。

へー。

もう少しくわしく説明すると、

(1) 雄鶏さんは、餌を見つけるとまずメンドリとヒヨコさんにあげる。 自分の食事はその次である。

(2) そして、雄鶏さんは、ヒヨコとめんどりさんを連れているときには、たとえ犬だろうが人だろうが獰猛に立ち向かう。

でもけっして雌鶏さんやヒヨコをその鋭い爪やくちばしで傷つけることは無い。

つまり、勇敢で家族へは優しい。

(3) 最後に、雄鶏さんはとても時間に正確。

朝決まった時間にかならず鳴き、時を告げてくれる。

(※日本でも古事記の時代から「朝告げ鳥」の名で呼ばれていますね。)

時を知る、これはすなわち「時流を読む」という意味でもある。

ようするに、

「家族優先」で「強く優しく」、「時流に乗った判断」

この3つができる。

これが韓国男性の理想、すなわち「雄鶏」

ということですね。

なるほど。

たしかにこの3つ、世の男性にとっては大事な資質ですね。

さて、

まず疑問として、

鶏さんは本当にそうなのか・・・?

私たちはたまご屋なので、お世話になるのはメンドリさんが主体。

雄雌ヒヨコを一緒に飼うことがあまりありません。

なので、

上の3つがそのとおり鶏さんの持つ性質なのかは・・・・・・、

正直良く分からないですねェ^^;

調べてみましたが、あまりこういった研究はなされていなさそう・・。

ただ、「わりと獰猛で時間に正確」なのは確かです。

 

ところで、

この“鶏の三賢”は、ようするに

「男子は強くあれ!」

という意味とも言えます。

韓国は儒教の影響が強いですから、

このような日本で言う“九州男児”的な気質が求められやすいのかも。

そういえば、九州は鶏の飼育が日本一多い地域です。

まさか雄鶏さんに学んだのだったりして・・・・・・!?

なんとなく共通するものを感じて、面白いです^^

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

(関連:『比較民俗研究』1.1990.3“鶏の民俗”)

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2016年11月25日