小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

考えてみれば
「お正月」の歌って
じつは12月のうたですね。

も~いくつ寝ると~~
ですから。

 

年が明けてから詠むなら別の歌、
なんといっても

百人一首!
カルタです。

あれ、
小倉百人一首といいまして、
鎌倉時代に選ばれた
奈良~平安時代の厳選ヒット集です。

 

その中に一首だけ

ニワトリについて歌ったものがあります。

『夜をこめて 

とりのそらねを
はかるとも 

よに逢坂のせきは
ゆるさじ』

作者は清少納言さん。

どんな意味なんでしょう?

 

現代語訳を
小学館の情報雑誌「サライ」から引用すると

「夜がまだ
明けないうちに

鶏の鳴き真似で
騙そうとしても、

函谷関(かんこくかん)
ならともかく、

逢坂の関は決して
通さないでしょう。」

となります。

 

んん・・・!?

函谷関、って何?

そんな文字、どこにも入ってないじゃん。

 

それに
『鳴きまねで だます』
『関は通さない』
ってどういうシチュエーション・・?

 

なんて思いますよね。

 

ご安心ください。
小倉百人一首が出されて以来、

江戸時代にも

室町の世にも
そう言われてました。

コレわからんなぁ・・・、と。

 

この歌、

『教養がないと分からない
難解な歌』

の代表格なんです。

 

◆中国故事を知ってる前提の歌

この鶏の歌は、
先日もご紹介した中国の「史記」
にあるエピソードが元になっています。


中国の戦国時代に
孟嘗君(もうしょうくん)という
超ウルトラすごい有能政治家がいました。

彼は『才能マニア』で、
何か秀でた才がある人を見ると
すぐに自宅へ食客として
住まわせてしまう。

中には、

鶏の鳴き声名人

なんてだけの人もいて、

「そんなの意味あるのかい。」

なんて周りに言われていたんですね。

ところが・・・

その孟嘗君さんに
命の危険がせまり逃亡した際、

 

その鳴きまね名人が
まだ夜明け前に
「コケコッコー!」と鳴いて
早めに函谷関という関所を
開けさせたことで
命を救われたのです。


・・・という故事がありまして、
それを踏まえた歌なんですね。

 

つまりこの古代中国書を読んで
知っていないと、前述の和歌は

「なんのこっちゃ???」

となってしまうわけです。

 

◆言い訳に対するチクリ!と皮肉の歌

なんで清少納言さんが
そんなエピソードを歌に用いたかというと、

藤原行成(ゆきなり)さんという
文学仲間がいまして、
ある夜に楽しいトークをしていたんです。

ところが
行成さんは翌日に用事があって、
早めに帰っちゃったんですね。

「ニワトリが鳴いたので
あ!もう帰らなきゃ。
と思っちゃいまして・・」

と行成さんは翌日に
手紙で言い訳したんですが、

それに対する返答が、
この歌だったんですね。

「函谷関は
ニワトリで通れても、
逢坂じゃあ通じないわよ。」

という。

 

◆同じハイレベル文学仲間だった

このお二人は
同レベルの教養があって
話がめっちゃ合う、

男女の垣根を超えた友情で
結ばれた文学仲間なんですね。

なにせ
藤原行成さんは超インテリで、
24歳にして蔵人頭(くらうどがしら)という
天皇直属の秘書長官トップを務めるほどの
有能官僚、大出世頭。

 

対して清少納言さんは
天皇にも男性貴族たちにも

「女ながらにすごい奴だ。」
と人目おかれる売れっ子作家です。

 

そんなハイレベルの文学好き同士が
語り合うわけですから、

『当然あのシーンだと分かる』

そんな前提で
難解なメッセージが書けるわけですね。

 

もっとも、
趣味つながりですから、

アニメファン同士が
『「第三話のあのシーン」だけで通じる』
みたいな感覚かもしれません。

こんな友人がいると
人生楽しいですよね~!

 

 

史書が2千年前、
清少納言は千年前ですから、

千年単位で時空を超えて
ニワトリエピソードが
伝わっているのは、

たまご屋としては
とてもテンション上がります。

 

・・でもこれ、

よく考えると鶏の歌じゃなくて
ニワトリの鳴きまね(をする人)の歌ですね。

タイトル「お正月」なのに年末の歌、
みたいな。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

※清少納言と藤原行成のやりとりエピソードは他にもあります↓

(関連:清少納言も食べたって!?平安のおもち玉子サンド | たまごのソムリエ面白コラム

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2026年01月7日

あけましておめでとうございます!

今年は午(うま)年ですね。

 

「午(うま)・・って
なんでこんな漢字なんだろ・・?」

と調べてみたんですが、
ちょっと面白かったですね。

 

諸説ありますが、

「『牛』の漢字から
ツノを取ったものだから」

というのが有力説の一つだそう。

 

へー。

なんとも合理的ですね!
ユニコーンはどうなるんでしょうか。

 

昔の日本語では
四足歩行の似た動物は
ぜんぶ「ウシ」でして、

たとえばヤギは
「野(や)にいる牛(ぎゅう)」
が語源なんだとか。

ウマのことを“午”で
「ああ、あのツノの無い方ね。」
と通じるなら通じるなら、
その方が余計な記憶リソースが
かからなくてよいかもしれません。

今年はこれくらい
シンプル思考かつ
効果的な取り組みを
ぜひしてまいります!

 

ウマと卵の共通点は
『金運』です。

ぜひ、お取引先様に繁盛を、
食べてくださる皆さんに
元気とワクワクをお届けする
一年にしてまいります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年01月5日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

本日31日大晦日、仕事納めです。

たまご業界全体では
連日ニュースになるほどの
卵価高騰・大変な一年でもありました。

でもどうせなら、と
逆に価値を上げる工夫に
いっしょに取り組んでくださる、
ステキなご縁も多くある、

感謝の一年でした。

 

ぜひお礼を
お客様のお幸せに変えて
来年へお返ししてまいります。

本年本当にお世話になりまして、
ありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年12月31日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「お正月を象徴する
動物はなんでしょう?」

 

じつは

正月といえば
『鶏』なんです。

 

元旦の朝いちばんに
鳴き声をあげ、
一年の最初を告げる。

正月より鳴く鶏は

「初鶏(はつどり)」

と呼ばれまして、

新年の到来を告げる
特別な声の縁起良い動物と
されているんですね~。

 

「正月のお祀りにはニワトリ」

という地域も少なくなくて、

お供えものやお雑煮には
『鶏料理』が欠かせない、
そんな風習が全国にあります。

「ウチの実家のあたりじゃ
『福をとり(鶏)入れる』で
正月に鶏肉を食べるんだって
聞いたなぁ。」

とは東北出身の知人の話。

 

◆たまごは黄色が正月の縁起に!

そして卵も同じ
正月の縁起ものです。

『正月=ニワトリ』から
生まれたのが由来なのと、

あと
「伊達巻き」みたいに黄色、
黄金色の料理なのが影響して

金運イメージや
子孫繁栄イメージが。

考えてみれば
『数の子』と同じ位置づけですね。

 

伊達巻にはあと
学業成就のいわれが
ありまして、これは
巻物っぽいから』だそう。

 

◆外食メニューにも活かせる!?

いわれ的には、
ニワトリ&卵での
正月の良イメージ演出
受け入れられやすいです。

 

たとえばカレーであっても
たまごで『正月感』は
縁起物感につながるかも。

POPで一言伝えるだけで
メニューやトッピングが
増えるかも。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2025年12月29日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

クリスマスだし
今日は〇〇しよう!

なんてイベントに合わせて
楽しむ行動を考えることってありますよね?

 

例えば
クリスマスは必ず外食、
なんて人も多いですし、

本を買う、
なんて人もいらっしゃいます。

 

ウチでは
クリスマス時期にはいつも
「クリスマスにちなんだ映画」を観ます。

ですが、ちょっと興味深かったのが、
今年のアマゾンプライム映画。

12月直前に配信が終わっちゃう
クリスマス映画がけっこうあったんですよ。

たとえば僕の大好きな映画
「ラブ・アクチュアリー」
テーマも時期もクリスマスなんですが、
ずっと配信されていたのに
クリスマス3週間前に終了でした。

 

SNSでも
昨年話題になった良作映画
「ホールドオーバーズ
置いてけぼりのホリデイ」

の配信も、

クリスマス→正月がテーマなのに、
クリスマス10日前に終了。

 

ええ~・・・!
なんでこのタイミング!?

なんて驚きますね~。

 

たとえば真夏に観るよりも
ぜったい没入感があって
イメージしやすいですし、

むしろ他の時期を外して
この時期に配信すべきじゃないのかなぁ、
なんて思います。

 

そういえば、

クリスマス・年末時期だけ
めちゃめちゃ飲まれる
たまごドリンク

って
ご存じでしょうか?

「エッグノッグ」

って言います。

昔風に言うなら、
ミルクセーキですね。

 

卵とミルク、
砂糖とお酒、

あと小さめの鍋があれば
カンタンにできる、

冬の玉子酒

世界中で寒い時期に飲まれていますが、
特に欧米では

クリスマス・年末の飲み物

という印象がとても強いんです。

 

特に米国では
めっちゃ『クリスマス需要』が強くて、

なんと1シーズンだけで
6万トン超も飲まれます。

 

この時期だけ
スーパーでもビンやパックに入った
エッグノッグがめっちゃ売られるんですね。

 

◆ベースがシンプルなのでアレンジ性が高い

飲食店さんでの活用で
面白いな、
と感じるのが

その拡張性。

 

卵と砂糖と牛乳、
というシンプル構成なので、
アレンジがしやすいんですよね。

つまり、お店ごとの
いろんなプリンがあるのと
同じです。

たとえば上記は
プエルトリコ
エッグノッグ的たまご酒
コキート

牛乳が
ココナッツミルクになってて
ラム酒ベースです。

けっこう印象変わって美味しいです。

伝統的にはラム酒のほか
ブランデーやウイスキーですが、

日本酒で作っても
かなり美味しいんですよ。

和食にも合いますね~。

 

冬に美味しい
卵ベースのお酒、
ぜひメニューに
あなたのお店のアレンジを加え
楽しんでみてはいかがでしょうか?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:ジョージワシントンのたまご酒エッグノッグ | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年12月25日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

アルコールを飲めない国はあっても
鶏や卵を食べられない国は無いわけですが、

もともとニワトリが世界中で
飼われるようになった理由の一つが、

娯楽。

すなわち闘鶏なんですね。

ニワトリの原種は比較的
気性が荒くって
戦い向きなんです。

 

ですのでずいぶん昔から
ヨーロッパからアジアまで
ひろ~い地域で
闘鶏が盛んに楽しまれていました。

 

また楽しむだけじゃなく、
大事なことを決める占い
もめごとの決着をつけるため
闘鶏が使われるようにも
なっていったんですね。

日本でも
宮中で千年つづいている
豊作を占う闘鶏の行事があります。

 

さて、
最古の歴史書といわれる
2千年前の「史記」という中国の書物に、

面白い闘鶏のエピソードがあります。

 


春秋戦国時代、

という国の
トップ豪族の一人に、

季平子(きへいし)という男がいました。

家柄を鼻にかけて
なにかとえらそうにする
わがまま者。

 

そして
郈昭伯(こうしょうはく)という
有力者がいまして、
この2人がトラブルになったのですね。

もともと両家は仲が悪く、
土地問題も絡んで関係は悪くなる一方…。

そこで、

「闘鶏で決着をつけよう。」

となったのです。

 

ポケモンバトルみたいなものですね。

まぁ、裁判所もない時代ですし、
戦いで決着」というのは
珍しくありませんでした。

ですが
人間同士が決闘しちゃったら
戦争になりかねませんから、
闘鶏で勝負というのは
平和的な方法と言えます。

 

ところが・・・

闘鶏当日になってみると、

季平子(きへいし)さんのニワトリは

鎧をまとっていたのです。

 

ええ~。

それはズルい。
もちろんルール違反です。

 

対して、

郈昭伯(こうしょうはく)さんのニワトリは…

鋭利な
蹴爪に装着していたのです。

当たり前ですが
こちらもルール違反。

 

つまりどっちも
すごい武器や防具をセットして
なにがなんでも勝とうとしていたんですね。

 

ええ~・・・。

これ、
どっちもバレないと
思ったんですかね?

さすがに無理があるような。

 

けっきょく、

「なんてやつだ。卑怯だぞ!」

「お前こそ!ズルしやがって!」

なんて
ますます関係が悪くなる事態になり、
その結果・・・

戦争になりました。

じつは
他にもいろいろやらかしていた
季平子(きへいし)に対して

 

「もうガマンならん。」

と、なんと王様(昭公)
郈昭伯(こうしょうはく)に味方し
いっしょに兵を挙げたのです。

 

それに対して
トップ3の豪族たちがみんな
季平子さん側についたため、

国が内戦状態に・・・

 

ついに『鶏のツメに剣』の方の
郈昭伯さんは殺され、

味方した王様(昭公)は
国を追い出されてしまいます


 

平和的バトルで解決の
はずだったのに
どうしてこんなことに・・・

その後、魯は
この内戦のせいで
国力が弱まったことから
衰退がはじまり

魯は分裂したのちに
他国に吸収・滅亡してしまいます。

 

ニワトリへのとんでもないズルが
一国を滅ぼしたとも言える
この「闘鶏の乱」、
なかなか考えさせられます。

 

◆孔子も「闘鶏の乱」に影響されていた

この「魯」って
じつは儒教を確立した
孔子さんの出身国なんですね。

孔子さんは
この「闘鶏の乱」のあと、
追い出された王様(昭公)を
追いかけて斉という国に移住しています。

 

孔子さんは魯で
弟子たちに
「仁」や「礼」

つまり他人に愛情をもって
私利私欲を抑えた行動しなきゃね
と儒学を説いていましたから、

 

ニワトリへのズルからはじまる
真逆のエピソードに
心を痛め

「ここで教えを説いてもなぁ。」

となったことは想像に難くありません。

誠実に生きていないと
何があるかわからない、
という鶏の教えですね。

僕も心して精進しなきゃです。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:2つの卵と将軍の過去【たまご鶏のことわざ その63】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2025年12月20日