小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

ブラックフライデー盛り上がってますが、

その結果
物流便への荷物が殺到して
営業所さんがパンク、
今朝から新規の受け入れ全面ストップとなっています。

えー・・!

これは大変です。

当社にてもご注文くださっているお客様
ご予定のお客様
まことにご迷惑おかけします

しばらくの間は
少しお早めのご注文をご検討いただけましたら幸いです。

 

◆波があると大変な業界

佐川急便・ヤマト宅急便のご担当者さん、
ホント大変だとお察しいたします。

昨年はここまでじゃなかったんですね。

最初は仕掛けた
アマゾンだけでしたから

「ブラックフライデー??なにそれ。」

ってカンジでした。

それが年々盛り上がってきて
楽天や他サービスはてはスーパーまで
ブラックフライデー企画をするくらい・・・

大きなお祭りになっているんですね~。

僕たち卵屋は、
ドカン!と売り上げるんじゃなくて
毎日コツコツ繰り返しの商売なんですが、

こういうちょっとずつ積み重ねビジネスを
「ストック型」と言うんですね。

このスタイルは
卵屋も配送業さんも同じで、
あるいみ同種なんです。

 

特徴としては
急な増減に弱い。

『毎日フラットなのが理想』

なんですね。

ほら、
いきなりですよ、
卵屋にメッチャ注文が殺到しても、
産まれる数以上には売れないじゃないですか。

今日だけ1000セット注文が入るより、
10の注文が100日続く方がありがたいのです。

配送業さんも同じですよね。
車や人員のキャパは同じですから。

 

これ食材は皆そうでして、
たとえば日本が
世界中から怒られているウナギ乱獲も、

一年に一度めっちゃめちゃ消費する
土用の前に世界で買いあさるから、

絶滅危惧のおそれに
つながるくらい大量消費
になるわけです。

先週のワシントン条約締約国会議では
幸か不幸か漁獲規制案が否決となりましたが、

まー今後は
短期集中の『お祭り的売り方』は
ちょっと弱めていくべきかもしれませんね。

(参照:ウナギ全種の取引規制案を否決、国際会議 資源管理や密漁対策が課題 – 日経

そしてこれは、
ブラックフライデー的な集中売りも
同じかもですね~。

 

◆殺到する時期の調整

ぼくたち卵屋へ
ご注文が集中するのは
年末時期になります。

お店さんも
週末のご来店を見込まれたり、
クリスマスの直前も
一日に膨大な数のご注文が
重なることがあります。

ですので、この5年ほど

「事前に年始年末のだいたいの数量を教えてもらう」

という取り組みをしています。

たとえば10ケース一度に
ご注文くださるお客様でも、
ぜ~んぶ翌日に使いきるお店さんって少ないわけです。

仮に金曜日に
ものすご~くご注文が集中するなら、

事前にだいたいの量をうかがっていれば、

「5ケースは翌日にお持ち
させてもらえませんか?」

なんて調整のご相談が
できるわけです。

 

毎日のご注文フラット化に
知恵と工夫とお客様との連携が
大事になる時期なんですね~。

先だってその重要性が
物流会社さんの大変さから身に沁みます。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年11月29日

こんにちは!
たまごのソムリエ、こばやしです。

この絵は、
ぼくが住む徳島県の美術館が
6800万円で購入した絵画。

 

のちに調べてみたら昨年に
超精巧な「贋作」だったことがわかり、
全国的な話題になりました。

25年間も知らずに飾っていたんです。

 

先週のニュースで
「売った画商へ6800万円で返品・返金」
とニュースになりまして、あらためて話題になってます。

 

美術館はホッとしたでしょうが、
じつは発覚後のこの1年間、
とても面白いことが起こっていました。

贋作が発覚してからしばらくのお話し。

贋作なんてえらいことだ・・!

とはいえ
買っちゃったものはしょうがない
美術館が「贋作」と表示し再公開したところ・・・

なんと!
来館数がめっちゃ増え
大人気になったのです。

「プロがだまされた話題のニセモノ」を
ぜひ見てみたいと評判も上々だったんですね。

だまされた美術館としては
複雑かもしれませんが、

この
「贋作人気」のメカニズムに、
あなたのお店の繁盛につながる
ある「コツ」があります。

 

◆価値はひとつじゃないから・・・

つまり、

別の価値を提供した

ってことなんです。

それまで25年間飾っていて
絵自体は何も変わってないのに

贋作とわかると反響が出た。

これはちょっと分かります。

ああ、あのニセモノか~。
ちょっと観に行ってみようかな!?

という気持ち。

それってつまり
絵を観る価値が
「真なる美を鑑賞すること」
だけじゃないということですよね。

 

「見た、と人に言いたい。」

という価値かもしれません。

また、

「真贋ってオレにもわかるかな?」

みたいなチャレンジ精神も
あるかもしれません。

価値魅力って
「良い品質」だけじゃないんです。

それって飲食店さんでも
同じことが言えます。

 

◆同業でも『価値』がちがう

たとえば同じコーヒーショップでも、

スターバックスは
家と職場に次ぐ「第三の場所」を理念に
「ゆっくりしていってください!」と
なが~く時間をすごせることを価値にしています。

対してドトールは
ほんの20分くらいの
『短いスキマ時間』をどれだけくつろげるか、
という価値を打ち出しています。

なので、
スターバックスのイスや音楽は
ゆったり長居したくなる品で、

ドトールはサッと注文して
待たずに短時間でくつろげるように
席数を多くして
レジ対応もめちゃめちゃわかりやすい。
オーダーも迷わないですむ表示です。

 

おなじコーヒーショップでも
体験させるものが違うんですね。

あなたのお店は、
ライバル店さんとどんな
価値のちがいを打ち出していらっしゃいますか?

◆たまごメニューで『価値の差』を!

同じように卵メニューも
飲食店さんのお客にとって
ひとつじゃない、

いろんな
価値が出せます。

「おいしい」
だけじゃないんです。

たとえば
「家で食べられない
非日常な料理技術」
という価値。

たとえばオムライスやだし巻きたまごって
手間と技術を売る料理なんですね。

 

であれば、それをさらに高めるとすると

『より技術のいりそうなシズルにする』

という、
見た目の印象にこだわると
価値の方向としてとても合うわけです。

 

また、

「作り方がわからない料理」

が食べられるという価値。

たとえば
ポーチドエッグを作ったことがある人は、
日本ではかなり少数派

目玉焼きとちがって
作り方もよく知らないわけです。

すると、
おいしさと別に
価値が大きいわけですね。

じっさい
エッグベネディクトは
単価高いですよね。

 

たまご料理は
おいしさ以外の『価値』が
出しやすい食材です。

 

ぜひともあなたのお店でも、
多面的な価値から、単価の取れる
たまごメニューをご提供くださいませ。

もちろんホンモノのおいしさで!

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , 飲食店さまへ 2025年11月26日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

 

秋うつ
という症状があります。

夜が一日、いちにちと長くなる。涼しくなる。

すると、なんとな~く気持ちが落ち込む。
鬱々とする・・・。

そんな症状、病状です。

この要因と考えられているのが
ビタミンDの不足

このビタミンは
気分を調整する神経伝達物質
「セロトニン」生成に関係がありまして、

日光をあびることで体内に生成されるんですね。

ですので、
日照が減る秋から冬に、
地域や生活によっては
ビタミンDが不足しがちになっちゃうのです。

 

「太陽に当たっているか」

なんてあまり意識しないですから、
「なんで最近、調子が悪いんだろ・・・?」
なんて不思議に思う人も少なくないそう。

 

◆魚、きのこ、卵などに含まれる

ですので、
そんな自覚がある人は
日向ぼっこすればよいのですが、
なかなか普段それは・・・
仕事によっては難しいですよね・・。

 

ですが、
安心してください。

ビタミンDは日照だけじゃなく
食べ物からも摂れます。

多く含まれるのが、魚やキノコ類
そして、特に黄身

卵は一個食べれば
だいたい一日の摂取基準量の
1/3くらい摂れますので
わりあい効率が良いです。

脂溶性ビタミンって
過ぎるのも良くないので、
錠剤なんかで摂るよりは
卵がちょうどよいと思いますね~。

ビタミンDは
比較的熱に強いので、
玉子焼きやオムレツ目玉焼き・・・
どんな食べ方をしてもオッケーです。

◆特に若い子が不足している!?

国立環境研究所の調査によると、

東京の12~18歳の中高生1360人のうち、
ビタミンDがだいぶ足りない(欠乏)は男子で30.2%・女子で47.7%もいて、足りてない(非充足)は男子の8割・女子の9割にのぼることが分かっています。

(参照:最近の日本人のビタミンD欠乏|環境儀 No.79|国立環境研究所

 

ビタミンDって骨の発育や代謝にも
かかわっているため、

成長期は特に不足しやすいんです。

つるべおとしの秋、
若いあなたは
ぜひ日向ぼっこをして、

これを読まれている
お父さんお母さんのあなたは、
ぜひ意識してご自身とお子さんの
日々のメニューで食材に取り入れるべき
なんじゃないかと思います。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など) 2025年11月20日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

連日クマのニュースがすごいですね。

出没情報のあった地域の学校が休校になったり
施設を急遽閉鎖したり、
被害のあった地域の皆様は不安な日々を
すごされているかと思います。

 

木の実の不作が原因か、
なんて言われていますが、
今年だけなのかはたして
年々増える途中なのか・・・。

いずれにせよ、
早く解決に向かうことを祈っております。

 

ぼくたちの住む四国は
クマの害こそ大きくないですが、
シカによる食害が深刻なんですね。

放し飼いのフェンスも壊すし・・・

 

お世話になっていた
元養鶏家のハンターさんいわく、

「このへんのハンターは皆
高齢の方が多いんだ。

何年もたたずにシカ害に
対応できなくなるかもなぁ。」

とのことで、

またいっぽうで
動物愛護的な視点の意見も
多く上がっていて、悩ましい問題です。

 

 

◆生類憐みの令のときはどうしたか

さて、
動物愛護の極み、

生類憐みの令

というものがありました。

 

江戸時代後期
第5代将軍・徳川綱吉さんの出した法令です。

「蚊を殺しただけで遠島になった」
なんてエピソードも残っているくらい
厳しく動物のケアと不殺を求める定めですね。

 

その中に、

クマが出た時はどうするのか?

という想定対応がありました。

クマが
家のニワトリや犬ネコなど
家畜を襲った場合どうするのか?

というケース。

どちらも大事にすべき動物です。

じっさい現代日本でも、
養鶏場がクマに襲われています。

クマからすると
ニワトリなんてごちそうですよね・・。

この場合の法令は、こうなってます。

『熊猪狼のたぐひ、たとへ人を毀傷せずとも、人家に飼をける馬、牛、犬、猫、鶏など傷損すべきさまならば、追払ひ毀傷せしむべからず。もし追払とき、棒にあたりて死すともそは苦しからず。犬猫たとい鳥獣をいため、あるいは己れども咬合は、いたまざるやうに引分べしちなり。』(江戸幕府・元禄8年5月 ・1695)

『熊猪狼のたぐひ,たとへ人に喰掛り申さず候とも,人の養い置き候牛馬犬猫鶏などの鳥獣を損し申すべき体に候はば,追払候て,損し申さざるように仕るべく候。もし追払候節,先へ当り,死に申分は苦しからず候事』(毛利家・1695)

毛利家での通達文書・山口県文書館

現代語に訳すと、

「熊やイノシシ、オオカミが
人をおそわなくても、
家で飼っているニワトリや牛馬犬猫に
ケガをさせそうなときは
追い払って守りなさい。

追い払おうとしたとき
棒や石に当たって死んでしまう事があっても、
それはしょうがない。(罪にならない)」

 

という事で、

・両方動物なら家畜優先

・追い払うときに死なせてしまっても罪ではない

ということのようですね。

 

◆現代と似ている!?

ですので、この

「基本は追い払う」

「無理なら駆除」

みたいな発想は、
現代とちょっと似てるところがありますね。

 

このころ地域によっては
猟銃を使う事もあったのですが、

『撃っちゃったときは
その経緯を書面にして報告する』

など細かく決まっていまして、
このあたりも同じですね。

 

面白いのが、

「もし殺してしまったら
その場に埋めること。
商売に使ったり
食べたりしてはならない」

となっていた点。

あー、なるほど。

 

そうしないと、

「いや~、いきなりクマに
ウチのニワトリがおそわれちゃって、
思わず倒しちゃったんですよね。

もったいないから毛皮と肉は
活用しますね~。

いや~わざとじゃないんです。」

 

なんて言って
乱獲しちゃうかもしれないですからね。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:鳥さんを牢に入れ遠島にした徳川綱吉【卵食は殺生になるの?】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ニュースに考える 2025年11月17日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第94弾、
今回はコロンビアから。

<年をとった雌鶏から良いスープができる>
(コロンビア)

いろんな経験をしてこそ滋味のある、
味わいぶかい影響を人に与えられる。
そんな意味です。

なるほど、よいことわざですね。

 

作家の阿刀田高さんがご自身の著書で

「同じ花を見て『きれいだ』と
感じたとしても、子供が感じるのと
いろんな物事を見てきた大人が
感じるのでは、ずいぶんと意味が違ってくる。
より美しいと感じるのは後者ではなかろうか。」

ということをおっしゃっています。

年を経ることで価値がでる、
まったくそのとおりだと思います。

 

そして、
年を経た鶏のほうが
旨味が多く美味しいスープになるのは本当です。

卵を産み終わった、
ある程度年を経たニワトリは
食肉として食べられるのですが、

食感がちょっと固いんですね。
ですが、
肉のうまみがめっちゃ濃くて
美味しいんですよ。

まさにスープや
シチューにすると最高!なんですね。

日本では「廃鶏」なんて名で
「いらないもの」扱いですが、

食肉文化の深い欧州では
むしろ年を経たニワトリのほうが

「コストがかかっているから」
「より美味しいから」
・・と高価な貴重肉として
取り扱われたりもします。

例えばフランスでは
「プーサン」「プーリー」の名で
若どりの肉よりずっと高く売られています。

食感が硬くても、
煮込み文化ですから
旨味を最大限活かし
柔らかく美味しく食べるレシピが
たくさんあるんですね。

こばやしもこの、
たまごを産み年を経た鶏肉
(四国では親鶏と呼ばれます)を
好きでよく食べます。

 

筋切りしたあと塩こうじを振って
低温調理でじっくり熱を通すと
お酒のつまみにめっちゃ美味しいんですよ。

価格も手ごろですから、
飲食店さんでもおすすめです。

 

◆コロンビアはめっちゃ卵好き

ちなみにこのことわざの
コロンビアは、

めちゃめちゃ卵を食べます。

日本人よりも。

昨年の世界鶏卵消費量データでは、
日本を抜いて世界第三位。
ひとり年間324個も食べているんですね。

 

10年前は年250個でした。
すごい伸びです。

つまり
これは文化というわけじゃなくて
コロンビア政府が国策で

「たまごを食べよう。」

と進めてきたことで
こんなに伸びているんです。

鶏肉の方も力を入れてまして、
日本への輸出もつい3週間ほど前に
解禁になったばかり。(2025年10月より)

南米のコロンビアは
鶏が快適に過ごせる
涼しい高地も多く、

1平方メートルあたりの
生物多様性は世界一、という
生き物天国でもあります。

今後、コロンビア産の鶏肉などは
日本に広がるかもですね。

コロンビアの卵メニューでいうと
アレパ』っていう
トウモロコシ粉パンに、

目玉焼きをはさんだものが
朝食の定番なんですが
これおいしいんですよ~。

 

たまご好きとしてシンパシーを感じます。
日本も負けてられませんね!

 

年を取ったニワトリのスープのように
長年の卵好き文化で
お店メニュー含め盛り上げていきたいですね。

コロンビアのたまご料理は
日本のカフェ等メニューとしても
なかなか相性が良いので、

ぜひあなたのお店でも
取り入れてみてくださいませ。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:【たまごの都市伝説】白身を塗ると〇〇〇が治る!? | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2025年11月11日

今回は江戸のたまご話です。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「今日はたまご料理よ♪」

・・・と言われたら、
あなたは『なんの卵』を想像しますか?

 

えっ!? なんのって・・

「たまごって言ったら
ふつーの卵でしょう?」

と、答えるんじゃないでしょうか。

あるいは

「どのブランドの
こだわり鶏卵か、ってこと?」

とおっしゃるかもしれません。

 

いま、
日本で流通する卵の99%は鶏卵
「ニワトリのたまご」です。

でも食べられているのは、
鶏の卵だけじゃありません。

 

「うずら卵」かもしれないですよね。

現に、うずら卵のだしまきを
名物にしている料理店さんもあります。

超レアですがエミューやダチョウ卵だって
手に入れることも可能です。

 

とはいえ、一般的にわが国で
「たまご料理を作る」となると
そこは“鶏卵”一択、悩むことは
まずないですよね~。

 

しかし!

いまからわずか200年ほど前の日本は

いろ~んな鳥の卵を
料理で使っていました。

 

◆多様な江戸たまごワールド!

江戸時代の食材について書かれた本草書
本朝食鑑』(1697年)によると鶏卵のほかに

ツルのたまご

鶩(あひる)のたまご

野鴨のたまご

雀のたまご

のあわせて5種が
『たまご料理として使用されている』
と記されています。

食材の本に載るくらい一般的に食べられていた卵たち、ということですね。

へー。

この5種の鳥はどれも雑食性、つまり、
卵の味が濃くなる『動物性たんぱく』も餌として摂る鳥たちです。

 

ツルの卵が
いちばん高級品だったそうで、

その肉と卵は万病に効く、
とのいわれがありました。

鶴はドジョウなど
ちょっと大きい小魚もよく食べますから
卵の味もけっこう濃厚だったかもしれません

もし現代に続いていたら、

「今日はオムライスだから
大きめの野鴨のたまごに
しようかしら。

明日はおでんだから
贅沢にツルね♪」

・・・なんてことに
なっていたかもしれません。

まず

『たまごの選択』からはいる
たまご料理生活。

うーん、なかなかステキかも!

ちなみに現代では
ツル鳥獣保護管理法
保護されていますから、

卵をもし見つけても
捕って食べることはできません。

残念!

 

◆鳥の肉はもっと種類があった

じゃあ
「もっと他の、たとえばハトやサギの卵だって食べたんじゃないの?」
とも思いますが、

じっさいは親鳥は捕れるけど
巣は探すのが難しかったり
卵数が少なかったり、
卵の流通としては無理がある鳥種が
多かったのでしょうね。

だって、
江戸の料理本に載っている「鳥」は
卵の5種類どころじゃなく、
すんごく多いんですよ。

鳥料理が詳しく載っている江戸の本、
四条流の料理指南書『当流節用料理大全』
には、

なんと82種類の鳥肉と
汁物や焼鳥などその調理方法が
記されています。

文献からひろってみると、

真鶴、こん鳥、黒鶴、真雁、雁金、白雁、
海雁、真鴨、僧鴨、真崎鴨、吉崎鴨、足鴨、
口鴨、小鴨、あぢ鴨、嶋あぢ鴨、赤頭鴨、
川喰鴨、ひでかげつけ鴨、羽白霜振鴨、鈴鴨、
大赤頭、神子鴨、ほひらき鴨、黒鴨、大鷺、
黄色鷺、せせり鷺、いそ鷺、へらさぎ、
かささぎ、おし鳥,山鳥、初ばん、
小鳥鴫(しぎ)、羽根まだら鴫、雲雀鴫、
山鴫、けり、山けり、みそごい・・・

 

うーん、
現代では聞いたことない鳥も多いですね。

こん鳥(昆鳥?)って空想上のトリ
だった気がしますが、
軍鶏のことを鵾鶏(昆鶏・こんけい)とよぶ
地域がありますので、それかもしれません。

ほかの江戸料理本だと、
大きめの鳥として
鶏、家鴨、雉子(きじ)、水鶏、鶏、鴨、
千鳥、鷭(ばん)、雁、野雁、鴨、真鴨、
白鳥、鶴、鷺(さぎ)、青鷺、五位鷺、
クイナ、鷹など19種類

樹に暮らす陸鳥で、
鳩、山鳩、燕、雲雀,雀,ツグミ、ムクドリ、
ヒヨドリ、モズ9種が常食として載っています。

これぜんぶ、
それぞれのレシピがあるくらいには
食肉として食べられていましたから
すごいもんだなぁ、と感じますね~。

ぜんぶ現代に残っていたら、
スーパーの売り場はとんでもないことに
なったかもしれませんね。

ちなみにこれらの料理書は、
国文学研究資料館の国書データベースで読めます。

軍鶏や親鶏などの調理は、
野鳥のための調理法や味付けが
ヒントになることもありますので
ぜひ和食料理店さんはいちど
ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:江戸時代における獣鳥肉類および卵類の食文化 江間三恵子 日本食生活学会誌 Vol.23 No.4(2013))

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2025年11月7日