小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

もう少しすると、節分ですね。

民俗学の第一人者新谷尚紀氏によると、

「豆を投げる」風習って
世界的に見てもレアで、

『穀物』イコール「霊力がスゴイ」という
日本人独特の考えらしいですね。

 

米も麦も豆も霊力があって
悪鬼を退散させる。

『食べ物で邪気をおっぱらう』

ってステキな発想ですね~。

 

さらに面白いことに、節分って
神道で始まって
仏教にバトンタッチした神仏混合
めっちゃ日本人らしいイベントなんですよ。

 

『穀物で祓う』は神道
『鬼』は仏教

よ~く考えると混ざってる!

 

平安時代に宮中で始まって
いったん廃れかけたのを、

鎌倉時代に寺社が
『鬼はらい』にリメイクして
広まったのだそう。

 

この「どっちでもイイんじゃないの。」感は
実に日本らしくていい感じです。

 

◆『おっぱらう』すら無くなった恵方巻

そして現代の節分に
台頭してきたのが、

恵方巻。

これって、
豆まき以上に面白いんです。

だって節分って

鬼をどっかにいかせる

というイベントじゃないですか。

 

なのに恵方巻って
悪いものを祓う効能が、

ない

んですよ。

マイナスをゼロにはできない
プラスオンするのみ。

『福がくる(招福)』だけの
シンプル設計です。

かなり割り切りましたね!

節分なのに。

考えたら不思議です。

◆『続・おせち』の位置づけ

それもそのはず、

恵方巻ってもともと
お正月のイベントだったのです。

江戸時代に『恵方参り』という
方角を決めて神に参るならわしが正月に
ありまして、それが上方で巻きずしになった。

なので福をよぶだけ。

恵方巻の具は
7種類入れるのが定番で、
これは縁起良い七福神にちなんだから。

オーソドックスなのは
たまご焼き・あなご・えび・桜でんぶ
かんぴょう・しいたけ・きゅうり

具にはそれぞれ縁起の意味がありまして

たとえば玉子焼き
黄金色→『金運』です。

あれ・・・!?

食材それぞれに縁起がある。

これって
正月のアノ料理と
おんなじですよね。

そう、『おせち』です。

つまり恵方巻は、
おせちの続編。

『おせちのスピンオフ』と
いえるんですね~。

なんにせよ、
めでたいことはどんっどんやって
盛り上げていきたいですし、

 

お正月の縁起ノリを
2月に持ち越すなんて・・

・・・アリですね!

そう考えると
もっと明るいノリで
恵方巻をたのしみたくなりますね~。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , おいしさ雑学 2026年01月12日

ヘンだった米国の卵・鶏肉の
販売表示が変わりました。


こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

米国でちょっと話題になっているのが
先週より施行されている改正食品表示法。

アメリカでも
スーパーなどで売られている
食肉や卵商品には“産地表示”があります。

「オーストラリア産」「カナダ産」とか
「米国産」「テキサス州産」みたいな。

日本と同じですね。

 

ですが、昨年までは米国のそれは
ちょっと『ヘン』だったのです。

 

◆びっくり!?ゆるすぎた産地表示

米国農務省によると、
2026年1月1日から、

『「米国産」食品表示を
アメリカ国内で生まれ、飼育され、
屠殺された動物由来の製品にのみ
使用することを義務付ける』

となりました。

米国で生まれ育ったら“米国産”。

うん・・・?

 

それって
当たり前じゃないの・・・?

そう、日本人の感覚だと

「そりゃそうだろう。」

という感じですが、
じつは米国では2025年まで

「米国で包装されれば
“米国産”と表記していい」

というルールだったのですね。

つまり、
カナダやメキシコやブラジルから
輸入した卵や鶏肉牛肉を、

アメリカ国内で“包装”して出荷すると
「米国産」になっていたってことです。

 

ええ~・・・。

それはダメですよね。

 

◆そもそも表示義務じゃなかった

じつは米国ではもともと
「米国産」「〇〇州産」などの産地表記は、

企業や製造業者が
「製品に表示してもいいよ。」
というだけの『任意表示』でした。

義務じゃなかったのです。

なので縛りもなかったのですね。

 

これに対し
米国内のたまご生産者や
畜産業者は以前から

「米国産」表記が
不正に利用されている!

と批判していました。

大企業はコストの安い別の国で
大量に飼育させていて、

それを米国内に持ち込み包装して
「国産です」と表示するので

ホントの米国産業者が
価格で勝てなくなっちゃっていたんですね。

 

ひどいのになると
「アリゾナ州」などの
地図イラストまで入れて
「アリゾナ産」として
輸入肉や輸入卵を売っている商品もあったそう。

 

特に鶏卵でいうとアメリカは、
数年にわたり鳥インフルの大打撃を受けて
大きく減産→不足していて

インドやブラジル韓国トルコなど
海外からの輸入卵が急増しています。

ぜんぶ「アメリカ産」じゃあ、
ちょっと問題ですよね~。

それが今年(2026年)から
「米国内で生産・加工したものだけが“国産”」
となったわけです。

また、表示する場合は
厳格な書類提出も必要となるそう。

 

米国農務省(USDA)は、
新たな規則ができることで

「市場における米国産表示の誤解を招く表示を禁止し、消費者が食品の産地について受け取る情報が真実であることを確保するのに役立つだろう。」

と発表しています。

 

この法令スタートに、

・表示が怪しいから地元の農家からだけ買うようにしていたよ。これで助かる!

・これは素晴らしいニュース!アメリカの農家を支援しよう。

・ここ2年くらい(?)卵(たぶん鶏肉も)の
味が違っていて餌の配合を変えたのかな?と思っちゃってたよ。
産地表示をよく見るようにする!

なんて歓迎の声も多く出ていますね。

いっぽうで、

・米国産が良いってわけじゃないし、
米国産を避けることもできるね。

・ラベルの上部に小~さな文字で「このラベルは」米国製品と記載されているかも。

なんて皮肉を言う人も。

たしかにそうですよね~。

『厳格な表示義務』って、
自分たちだけを守ってくれるわけじゃなく
ちゃんと品質を良いものにしていかないと

逆に避けられて
品質の良い他国のモノを選ばれちゃう
・・・なんてこともあり得るわけです。

 

これは日本でも同じですよね。

信用してもらえるように
しっかりした良い品をお出しし続ける。

これしか無いですね。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(参照:The subtle change coming to America’s eggs and meat in two days… and the major implications it has for you | Daily Mail Online

(関連:植物性卵・代替卵を「卵」表記したらだめだよね?と議論【米国】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの海外ニュース 2026年01月10日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

考えてみれば
「お正月」の歌って
じつは12月のうたですね。

も~いくつ寝ると~~
ですから。

 

年が明けてから詠むなら別の歌、
なんといっても

百人一首!
カルタです。

あれ、
小倉百人一首といいまして、
鎌倉時代に選ばれた
奈良~平安時代の厳選ヒット集です。

 

その中に一首だけ

ニワトリについて歌ったものがあります。

『夜をこめて 

とりのそらねを
はかるとも 

よに逢坂のせきは
ゆるさじ』

作者は清少納言さん。

どんな意味なんでしょう?

 

現代語訳を
小学館の情報雑誌「サライ」から引用すると

「夜がまだ
明けないうちに

鶏の鳴き真似で
騙そうとしても、

函谷関(かんこくかん)
ならともかく、

逢坂の関は決して
通さないでしょう。」

となります。

 

んん・・・!?

函谷関、って何?

そんな文字、どこにも入ってないじゃん。

 

それに
『鳴きまねで だます』
『関は通さない』
ってどういうシチュエーション・・?

 

なんて思いますよね。

 

ご安心ください。
小倉百人一首が出されて以来、

江戸時代にも

室町の世にも
そう言われてました。

コレわからんなぁ・・・、と。

 

この歌、

『教養がないと分からない
難解な歌』

の代表格なんです。

 

◆中国故事を知ってる前提の歌

この鶏の歌は、
先日もご紹介した中国の「史記」
にあるエピソードが元になっています。


中国の戦国時代に
孟嘗君(もうしょうくん)という
超ウルトラすごい有能政治家がいました。

彼は『才能マニア』で、
何か秀でた才がある人を見ると
すぐに自宅へ食客として
住まわせてしまう。

中には、

鶏の鳴き声名人

なんてだけの人もいて、

「そんなの意味あるのかい。」

なんて周りに言われていたんですね。

ところが・・・

その孟嘗君さんに
命の危険がせまり逃亡した際、

 

その鳴きまね名人が
まだ夜明け前に
「コケコッコー!」と鳴いて
早めに函谷関という関所を
開けさせたことで
命を救われたのです。


・・・という故事がありまして、
それを踏まえた歌なんですね。

 

つまりこの古代中国書を読んで
知っていないと、前述の和歌は

「なんのこっちゃ???」

となってしまうわけです。

 

◆言い訳に対するチクリ!と皮肉の歌

なんで清少納言さんが
そんなエピソードを歌に用いたかというと、

藤原行成(ゆきなり)さんという
文学仲間がいまして、
ある夜に楽しいトークをしていたんです。

ところが
行成さんは翌日に用事があって、
早めに帰っちゃったんですね。

「ニワトリが鳴いたので
あ!もう帰らなきゃ。
と思っちゃいまして・・」

と行成さんは翌日に
手紙で言い訳したんですが、

それに対する返答が、
この歌だったんですね。

「函谷関は
ニワトリで通れても、
逢坂じゃあ通じないわよ。」

という。

 

◆同じハイレベル文学仲間だった

このお二人は
同レベルの教養があって
話がめっちゃ合う、

男女の垣根を超えた友情で
結ばれた文学仲間なんですね。

なにせ
藤原行成さんは超インテリで、
24歳にして蔵人頭(くらうどがしら)という
天皇直属の秘書長官トップを務めるほどの
有能官僚、大出世頭。

 

対して清少納言さんは
天皇にも男性貴族たちにも

「女ながらにすごい奴だ。」
と人目おかれる売れっ子作家です。

 

そんなハイレベルの文学好き同士が
語り合うわけですから、

『当然あのシーンだと分かる』

そんな前提で
難解なメッセージが書けるわけですね。

 

もっとも、
趣味つながりですから、

アニメファン同士が
『「第三話のあのシーン」だけで通じる』
みたいな感覚かもしれません。

こんな友人がいると
人生楽しいですよね~!

 

 

史書が2千年前、
清少納言は千年前ですから、

千年単位で時空を超えて
ニワトリエピソードが
伝わっているのは、

たまご屋としては
とてもテンション上がります。

 

・・でもこれ、

よく考えると鶏の歌じゃなくて
ニワトリの鳴きまね(をする人)の歌ですね。

タイトル「お正月」なのに年末の歌、
みたいな。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

※清少納言と藤原行成のやりとりエピソードは他にもあります↓

(関連:清少納言も食べたって!?平安のおもち玉子サンド | たまごのソムリエ面白コラム

 

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2026年01月7日

あけましておめでとうございます!

今年は午(うま)年ですね。

 

「午(うま)・・って
なんでこんな漢字なんだろ・・?」

と調べてみたんですが、
ちょっと面白かったですね。

 

諸説ありますが、

「『牛』の漢字から
ツノを取ったものだから」

というのが有力説の一つだそう。

 

へー。

なんとも合理的ですね!
ユニコーンはどうなるんでしょうか。

 

昔の日本語では
四足歩行の似た動物は
ぜんぶ「ウシ」でして、

たとえばヤギは
「野(や)にいる牛(ぎゅう)」
が語源なんだとか。

ウマのことを“午”で
「ああ、あのツノの無い方ね。」
と通じるなら通じるなら、
その方が余計な記憶リソースが
かからなくてよいかもしれません。

今年はこれくらい
シンプル思考かつ
効果的な取り組みを
ぜひしてまいります!

 

ウマと卵の共通点は
『金運』です。

ぜひ、お取引先様に繁盛を、
食べてくださる皆さんに
元気とワクワクをお届けする
一年にしてまいります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2026年01月5日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

本日31日大晦日、仕事納めです。

たまご業界全体では
連日ニュースになるほどの
卵価高騰・大変な一年でもありました。

でもどうせなら、と
逆に価値を上げる工夫に
いっしょに取り組んでくださる、
ステキなご縁も多くある、

感謝の一年でした。

 

ぜひお礼を
お客様のお幸せに変えて
来年へお返ししてまいります。

本年本当にお世話になりまして、
ありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年12月31日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「お正月を象徴する
動物はなんでしょう?」

 

じつは

正月といえば
『鶏』なんです。

 

元旦の朝いちばんに
鳴き声をあげ、
一年の最初を告げる。

正月より鳴く鶏は

「初鶏(はつどり)」

と呼ばれまして、

新年の到来を告げる
特別な声の縁起良い動物と
されているんですね~。

 

「正月のお祀りにはニワトリ」

という地域も少なくなくて、

お供えものやお雑煮には
『鶏料理』が欠かせない、
そんな風習が全国にあります。

「ウチの実家のあたりじゃ
『福をとり(鶏)入れる』で
正月に鶏肉を食べるんだって
聞いたなぁ。」

とは東北出身の知人の話。

 

◆たまごは黄色が正月の縁起に!

そして卵も同じ
正月の縁起ものです。

『正月=ニワトリ』から
生まれたのが由来なのと、

あと
「伊達巻き」みたいに黄色、
黄金色の料理なのが影響して

金運イメージや
子孫繁栄イメージが。

考えてみれば
『数の子』と同じ位置づけですね。

 

伊達巻にはあと
学業成就のいわれが
ありまして、これは
巻物っぽいから』だそう。

 

◆外食メニューにも活かせる!?

いわれ的には、
ニワトリ&卵での
正月の良イメージ演出
受け入れられやすいです。

 

たとえばカレーであっても
たまごで『正月感』は
縁起物感につながるかも。

POPで一言伝えるだけで
メニューやトッピングが
増えるかも。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2025年12月29日