小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記 SOMMELIER DIALY

ソムリエ日記 記事一覧

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

本日31日大晦日、仕事納めです。

たまご業界全体では
連日ニュースになるほどの
卵価高騰・大変な一年でもありました。

でもどうせなら、と
逆に価値を上げる工夫に
いっしょに取り組んでくださる、
ステキなご縁も多くある、

感謝の一年でした。

 

ぜひお礼を
お客様のお幸せに変えて
来年へお返ししてまいります。

本年本当にお世話になりまして、
ありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします!

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年12月31日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

「お正月を象徴する
動物はなんでしょう?」

 

じつは

正月といえば
『鶏』なんです。

 

元旦の朝いちばんに
鳴き声をあげ、
一年の最初を告げる。

正月より鳴く鶏は

「初鶏(はつどり)」

と呼ばれまして、

新年の到来を告げる
特別な声の縁起良い動物と
されているんですね~。

 

「正月のお祀りにはニワトリ」

という地域も少なくなくて、

お供えものやお雑煮には
『鶏料理』が欠かせない、
そんな風習が全国にあります。

「ウチの実家のあたりじゃ
『福をとり(鶏)入れる』で
正月に鶏肉を食べるんだって
聞いたなぁ。」

とは東北出身の知人の話。

 

◆たまごは黄色が正月の縁起に!

そして卵も同じ
正月の縁起ものです。

『正月=ニワトリ』から
生まれたのが由来なのと、

あと
「伊達巻き」みたいに黄色、
黄金色の料理なのが影響して

金運イメージや
子孫繁栄イメージが。

考えてみれば
『数の子』と同じ位置づけですね。

 

伊達巻にはあと
学業成就のいわれが
ありまして、これは
巻物っぽいから』だそう。

 

◆外食メニューにも活かせる!?

いわれ的には、
ニワトリ&卵での
正月の良イメージ演出
受け入れられやすいです。

 

たとえばカレーであっても
たまごで『正月感』は
縁起物感につながるかも。

POPで一言伝えるだけで
メニューやトッピングが
増えるかも。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの歴史・文学・文化学 2025年12月29日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

クリスマスだし
今日は〇〇しよう!

なんてイベントに合わせて
楽しむ行動を考えることってありますよね?

 

例えば
クリスマスは必ず外食、
なんて人も多いですし、

本を買う、
なんて人もいらっしゃいます。

 

ウチでは
クリスマス時期にはいつも
「クリスマスにちなんだ映画」を観ます。

ですが、ちょっと興味深かったのが、
今年のアマゾンプライム映画。

12月直前に配信が終わっちゃう
クリスマス映画がけっこうあったんですよ。

たとえば僕の大好きな映画
「ラブ・アクチュアリー」
テーマも時期もクリスマスなんですが、
ずっと配信されていたのに
クリスマス3週間前に終了でした。

 

SNSでも
昨年話題になった良作映画
「ホールドオーバーズ
置いてけぼりのホリデイ」

の配信も、

クリスマス→正月がテーマなのに、
クリスマス10日前に終了。

 

ええ~・・・!
なんでこのタイミング!?

なんて驚きますね~。

 

たとえば真夏に観るよりも
ぜったい没入感があって
イメージしやすいですし、

むしろ他の時期を外して
この時期に配信すべきじゃないのかなぁ、
なんて思います。

 

そういえば、

クリスマス・年末時期だけ
めちゃめちゃ飲まれる
たまごドリンク

って
ご存じでしょうか?

「エッグノッグ」

って言います。

昔風に言うなら、
ミルクセーキですね。

 

卵とミルク、
砂糖とお酒、

あと小さめの鍋があれば
カンタンにできる、

冬の玉子酒

世界中で寒い時期に飲まれていますが、
特に欧米では

クリスマス・年末の飲み物

という印象がとても強いんです。

 

特に米国では
めっちゃ『クリスマス需要』が強くて、

なんと1シーズンだけで
6万トン超も飲まれます。

 

この時期だけ
スーパーでもビンやパックに入った
エッグノッグがめっちゃ売られるんですね。

 

◆ベースがシンプルなのでアレンジ性が高い

飲食店さんでの活用で
面白いな、
と感じるのが

その拡張性。

 

卵と砂糖と牛乳、
というシンプル構成なので、
アレンジがしやすいんですよね。

つまり、お店ごとの
いろんなプリンがあるのと
同じです。

たとえば上記は
プエルトリコ
エッグノッグ的たまご酒
コキート

牛乳が
ココナッツミルクになってて
ラム酒ベースです。

けっこう印象変わって美味しいです。

伝統的にはラム酒のほか
ブランデーやウイスキーですが、

日本酒で作っても
かなり美味しいんですよ。

和食にも合いますね~。

 

冬に美味しい
卵ベースのお酒、
ぜひメニューに
あなたのお店のアレンジを加え
楽しんでみてはいかがでしょうか?

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:ジョージワシントンのたまご酒エッグノッグ | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年12月25日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

アルコールを飲めない国はあっても
鶏や卵を食べられない国は無いわけですが、

もともとニワトリが世界中で
飼われるようになった理由の一つが、

娯楽。

すなわち闘鶏なんですね。

ニワトリの原種は比較的
気性が荒くって
戦い向きなんです。

 

ですのでずいぶん昔から
ヨーロッパからアジアまで
ひろ~い地域で
闘鶏が盛んに楽しまれていました。

 

また楽しむだけじゃなく、
大事なことを決める占い
もめごとの決着をつけるため
闘鶏が使われるようにも
なっていったんですね。

日本でも
宮中で千年つづいている
豊作を占う闘鶏の行事があります。

 

さて、
最古の歴史書といわれる
2千年前の「史記」という中国の書物に、

面白い闘鶏のエピソードがあります。

 


春秋戦国時代、

という国の
トップ豪族の一人に、

季平子(きへいし)という男がいました。

家柄を鼻にかけて
なにかとえらそうにする
わがまま者。

 

そして
郈昭伯(こうしょうはく)という
有力者がいまして、
この2人がトラブルになったのですね。

もともと両家は仲が悪く、
土地問題も絡んで関係は悪くなる一方…。

そこで、

「闘鶏で決着をつけよう。」

となったのです。

 

ポケモンバトルみたいなものですね。

まぁ、裁判所もない時代ですし、
戦いで決着」というのは
珍しくありませんでした。

ですが
人間同士が決闘しちゃったら
戦争になりかねませんから、
闘鶏で勝負というのは
平和的な方法と言えます。

 

ところが・・・

闘鶏当日になってみると、

季平子(きへいし)さんのニワトリは

鎧をまとっていたのです。

 

ええ~。

それはズルい。
もちろんルール違反です。

 

対して、

郈昭伯(こうしょうはく)さんのニワトリは…

鋭利な
蹴爪に装着していたのです。

当たり前ですが
こちらもルール違反。

 

つまりどっちも
すごい武器や防具をセットして
なにがなんでも勝とうとしていたんですね。

 

ええ~・・・。

これ、
どっちもバレないと
思ったんですかね?

さすがに無理があるような。

 

けっきょく、

「なんてやつだ。卑怯だぞ!」

「お前こそ!ズルしやがって!」

なんて
ますます関係が悪くなる事態になり、
その結果・・・

戦争になりました。

じつは
他にもいろいろやらかしていた
季平子(きへいし)に対して

 

「もうガマンならん。」

と、なんと王様(昭公)
郈昭伯(こうしょうはく)に味方し
いっしょに兵を挙げたのです。

 

それに対して
トップ3の豪族たちがみんな
季平子さん側についたため、

国が内戦状態に・・・

 

ついに『鶏のツメに剣』の方の
郈昭伯さんは殺され、

味方した王様(昭公)は
国を追い出されてしまいます


 

平和的バトルで解決の
はずだったのに
どうしてこんなことに・・・

その後、魯は
この内戦のせいで
国力が弱まったことから
衰退がはじまり

魯は分裂したのちに
他国に吸収・滅亡してしまいます。

 

ニワトリへのとんでもないズルが
一国を滅ぼしたとも言える
この「闘鶏の乱」、
なかなか考えさせられます。

 

◆孔子も「闘鶏の乱」に影響されていた

この「魯」って
じつは儒教を確立した
孔子さんの出身国なんですね。

孔子さんは
この「闘鶏の乱」のあと、
追い出された王様(昭公)を
追いかけて斉という国に移住しています。

 

孔子さんは魯で
弟子たちに
「仁」や「礼」

つまり他人に愛情をもって
私利私欲を抑えた行動しなきゃね
と儒学を説いていましたから、

 

ニワトリへのズルからはじまる
真逆のエピソードに
心を痛め

「ここで教えを説いてもなぁ。」

となったことは想像に難くありません。

誠実に生きていないと
何があるかわからない、
という鶏の教えですね。

僕も心して精進しなきゃです。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:2つの卵と将軍の過去【たまご鶏のことわざ その63】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , 鶏さん・鳥さんのコト 2025年12月20日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

健康に気をつかうことが
自分の生活で増えてきました。

 

たまご屋をしている以上、
自分がずっと『健康』でいることが
商売柄大事だ、と思ってます。

 

ですが、

若いころ僕は
めっちゃ食いしん坊で
運動ギライでした。

『たかだか10年やそこら
長生きするために

何十年も健康に気をつけ
好きじゃないものも食べて
毎日運動するなんて、

ホントあほらしい。』

と、心底思っていました。

いました。

 

いま僕は
毎日運動をして
週に2回は泳いでます。

食べるものも摂生しています。

 

なぜ変わったか。

 

話は変わりますが、

『ジャネーの法則』

ってご存じでしょうか?

“人生のある時期に感じる時間の長さは
年齢の逆数に比例する”という法則。

つまり、
若いときは「一年を長く感じる」
年を取ると「あっという間」

なぜなら
5歳の一年なら人生の20%もある。
80歳の一年ならたった1.3%だから。
というわけですね。

なるほど納得です。

このジャネーの法則が、
「なぜ年を取ると運動するのか?」
の答えだと思うんですよ。

 

◆余命で考える「逆ジャネーの法則」

長生きの『比率』が、
ぜんぜん変わってくるんですね。

余命で考えると。

 

たとえば、僕はいま50歳です。

男性の平均寿命81歳で考えると、
あと31年。

 

もし健康に気をつかって
10年、平均寿命から長生きできるなら、

残り31年→41となると

なんと今からの一生が『32%』も
伸びる計算になります。

 

この今からの、がポイントですね。

僕が70歳になったら
残り11年が残り21年に伸びると、
なんと「今からの人生」が2倍になったことに。

76歳なら残り5年が15年になると
「今からの人生」が3倍ですよ。3倍。

 

つまり、
人生の残りが少なくなるほど、
ある期間だけ長生きできるメリット、
意味が大きくなるわけです。

つまり
「逆ジャネーの法則」。

 

ぼくが10歳の少年のときなら、
寿命が80年から90に増えたって
一割くらいですから、

「それよりも
旨い物だけ食べるほうが
イイなぁ・・・。」

となっちゃってたわけですね。

僕は50歳になってみて
やっと気づきました。

「ああ、だから年を取ると
みんな運動するのか・・・」

あれは
80歳くらいのおじいちゃんが
たった一年死ぬまでを
のばしたいんじゃなくて

(今からの)命を
2倍にしたいんだ・・・

なんなら5倍10倍にしたいんだ。

という気づきですね。

 

◆その時間で何ができるかが大事

当たり前ですが、

大事なのは
「元気で動き回れる」
今からの人生が伸びることですよね。

 

遊びに出かけたり
自転車に乗ったり
楽しくすごせる・・・

つまり健康寿命、
いや健康余命でしょうか。

 

◆たまごはメッチャ健康寿命が伸びる

そして卵は、
毎日食べることで健康寿命が伸びる
との研究報告がたくさんされています。

具体的には

(1)コレステロール調整等の脂質代謝
(2)肝機能の改善
(3)ボケや老化防止
(4)皮膚を若々しく保つ
(5)抗がん作用
(6)脳内出血防止
(7)風邪に良い
(8)骨粗しょう症予防

などなどですね。

これは卵のアミノ酸やコリン、
そして・ビタミンに豊富なミネラル群などが
体にとって理想的なバランスで
良い影響となっているからなんです。

これも
「逆ジャネーの法則」でいうと、

卵を食べて健康寿命を延ばすことが
年をとるごとにメリットが
どんどん大きくなるってことですよ。

ぜひ卵で
「これからの一生」を
何倍かに伸ばしましょう。

僕といっしょに。

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , ちょっとつぶやき 2025年12月15日

こんにちは!
たまごのソムリエ・こばやしです。

たまご鶏のことわざ第95弾、
今回はイタリアから。

<ニワトリはくちばしから卵を産む>
(dal becco vien l’uovo)

想像するとすごいですね。

 

もう少し長いバージョンもありまして、

『牛は口から乳を出し、
ニワトリはくちばしから卵を産む』

と前にウシが付くことも。

いったいどういう意味でしょう?

これは、

『食べたもので
良し悪しが決まる』

という意味です。

「ちゃんと野菜を食べなさい。
“クチバシから卵を産む”って
言うでしょう?」

なんて風に使います。

 

転じて、

『良い結果を出すなら
良いインプットが必要』

という意味でも使われます。

なるほどですね~。

あまり意識しないですが、
僕たちの体は
頭のてっぺんからつま先まで、

髪の毛一本残らず
『食べたもの』でできています。

 

あなたの体をつくる『素材』は、
口から入ったものだけ・100%。
なんですね。

だったら
良いものを食べれば
高性能なパーツになるし、

わるい物しか食べてなければ
できたパーツだって
ちゃんと動かないこともあるだろう。

という考えは
シンプルに『食』というものの
意義を表しています。

 

 

◆良い学びが良いアウトプットに!

また、『よい結果』に対しても
同じですね。

 

僕たちが発する言葉、文章、
考え方や行動って

以前に触れ学んだモノからしか
生まれることはありません。

一枚の絵を見たこともないのに
黄金比の構図はわからないですし、

ラテン語を見たこともないのに
その韻を踏む詩は作れないのです。

 

かつてシェイクスピアは
世界の人を魅了する
37の戯曲を書きました。

その中には
『当時存在した言葉』の
8割近くが使われているそう。

 

当時のあらゆる言葉
あらゆる表現を駆使していた。

つまり、
その言葉を『知っていた』わけです。

彼の知識として
インプットしていた。

 

だからこそ
シェイクスピアの戯曲は

庶民から貴族まで
みんなが泣いて笑って楽しめる

魔法のようなエンターテインメント
として親しまれたんです。

 

じっさい「ハムレット」を読むと
めっちゃ下品な下ネタのダジャレから

流れる小川のように韻を踏む愛の言葉まで

「どうやって思いついたの!?」

と言いたくなるバラエティーさがすごいです。

 

 

◆たまごはマジで餌に影響される

そして、

卵の品質は
ニワトリが食べる飼料に
おおきく影響します。

たまごが産まれる
直前2週間の飼料の影響が
たまごのおいしさに

たまご料理の特徴に
ものすご~~く出ます。

 

たとえば
暑くてバテやすい季節から
涼しくなってエサの食べ量がアップすると

その2週間後に
卵の品質が良くなるんですね。

 

また、季節別のたまごのために
エサを切り替えた時も、
その影響は2週間後から出てきます。

<ニワトリはくちばしから卵を産む>は
生き方としても
実際のたまご品質に関しても、

真実そのとおり、
ステキなことわざだなぁ、と思いますね。

 

ここまでお読みくださって
ありがとうございます。

(関連:うそくさいって!?雄鶏と雄牛ばなし【たまごの慣用句 その88】 | たまごのソムリエ面白コラム

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご・鶏のことわざ 2025年12月12日