グリム童話の「熱いたまご」

カテゴリ: たまごの歴史・文学・文化学
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グリム童話に、「水晶の珠」というお話があります。

そこに、「アツアツの生卵」なるアイテムが出てくるんですね。

主人公は魔女の息子、三男。

子供の裏切りを恐れた魔女は、兄2人を空を舞うワシと、海に潜るクジラに魔法で変えてしまいましたが、運よく逃げ出したその若者は、旅の途中で「太陽の城」に閉じ込められたお姫様の話を耳にします。

「助けに行って、すでに23人も殺されちゃっているらしいぜ。あと一人失敗したら、魔法が一生解けないんだとか。」

よし。そのお姫様を助けるのは自分だ。

そう決めて、お城へ向かいました。

知恵を駆使してようやくお城を発見、

お姫様と対面しますが、

何としたことか、お姫様は醜い老婆の姿になっています。

「これは呪いなんです。」

「城を降りたところに野牛がいます。これを倒すと腹の中にいる火の鳥が飛び出してきますので、どうかこの鳥が産んだ“熱い卵”を割ってください。中の黄身が“魔法の水晶”になっています。 これが魔法の呪いを解いてくれます…!」

と涙ながらにお姫様が語ります。

野牛…に守られた火の鳥…の中にある灼熱のたまご…の中にある黄身(水晶)が必要。

うーん、なかなかのセキュリティですねぇ。 なべて世の中のシステムは、これくらい厳重にしてある方が良いのかもしれません。

さて、

その言葉を聞き、勇気を奮い野牛を倒した若者ですが、

中から出てきた火の鳥は

空を飛んで逃げてしまいました。

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しまった・・・!

と、思ったその刹那、空から一匹のワシ、に姿を変えられている長男が火の鳥に襲い掛かり、その爪で仕留めます。

ところが…! カンジンのアツアツ卵が落下、漁師の家に落ち、

家ごと燃え上がってしまいます。

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シマッタ・・・!

と、再度思ったその時、海から一匹の大クジラ、に姿を変えられた次男がザブン!と波を寄せて火を消してしまいます。

急激に冷やされたこと、また落とした衝撃から、運よく卵がパッカン!と割れており、難なく中の黄身・水晶珠を取り出すことができました。

あとは、

その水晶珠をかざして、お姫様の呪いを解き魔法使いを降参させ「太陽のお城」をゲット、ついでに兄さん二人の呪いも解いて万事、めでたしめでたし。

…とまあ、こんなお話です。

◆お祝いの料理がモチーフ!?
この物語、たまご屋であるこばやしが読んでいて、興味深い点が2つありました。

一つは、ウシの中に→トリの中に→たまご、という構造です。

ヨーロッパのお祝いには、

ゆでたまごを中に詰めたアヒルや七面鳥の丸焼いきが、饗されるれることがあります。

また、砂漠のベドウィンの結婚式には、

ゆでたまごを魚に詰める→その魚を焼き鶏に詰める→鶏を子羊に詰め焼く→最後にラクダに子羊を詰めじっくり煮込む

…というなかなかスゴイ料理があります。

もしかすると、そういった料理のイメージが、このお話に反映されているのかもしれませんね。

もう一つは、「急に冷ますとたまごが割れた」という描写。

実際ゆで卵を作るときには、

冷蔵庫から出したての冷えた卵を茹でると、

お湯にいれたとたんに「パキッ」とカラが割れてしまいます。

なので、常温に戻してから茹でるのがコツなんです。

なんとなく、そういった知恵が反映されているようで、これまたとっても興味深いです。

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

Posted by cgegg | コメント(0)

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