小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

豪華客船のシェフと放し飼い・開放式農場たまごの共通点

こんにちは!

たまごのソムリエ・こばやしです。

ギックリと腰を痛めてしまいまして

寝転がったままこの文章を打ってます(汗)

日々のコンディション、大事ですね~…。

 

さて、先日のエントリで

開放式農場飼育や放し飼い飼育のメリットのひとつは、

季節のゆらぎにある、

そんなお話を書きました。

もう少しくわしく書きます。

 

気候や季節に左右されやすい

開放式農場や放し飼い飼育のメリット。

それは「飽き」に強いこと。

あなたも、なにかの食べ物に

飽きたことってありますよね?

 

例えばほら、

レトルトカレーって美味しいですが、

頻繁に食べると

飽きて嫌気が差してくるじゃないですか。

 

でも不思議と家庭で

お母さんが作るカレーって

そうでもない。

 

この飽きに関係するのが

味の「ゆらぎ」です。

 

エッセイスト神津カンナさんが言っていましたが

ある有名店の料理長さんによると

「豪華客船のシェフは

船長より大事にされる重要な存在だ。

でも一流では務まらない、

二流三流に限る。」

のだそうです。

どういう意味でしょうか?

 

長く修行を積んだ一流シェフは

いわゆる『絶対味覚』を持っていて、

自分の体調や状況にかかわらず

最高の味を常に作り出すことができます。

 

とても素晴らしい事ですが、

これが世界中を周り

何カ月も航海する豪華客船では、

マイナスに働いてしまうんです。

 

毎日三食おなじだと、

その味に飽きちゃうんですね。

 

逆に、二流(というか絶対味覚を持たない)シェフならどうでしょう?

暑い日には無意識に

塩味の濃い料理になったり、

雨の日や曇りの日には

ちょっとマイルドな味付けになったり、

毎日違う天気

ちょっとしたコンディションの違いで

味が変化してしまいます。

 

微妙に味が変わってしまう。

そしてこれが結果として

お客の舌にぴったり来るんだそうです。

客の方も

「今日はちょっと揺れるから、さっぱりした料理が食べたいなー。」

なんて同じように思っていたりします。

食べる方だって環境で、

好みが日々変わるんですね。

 

実際、鶏卵についてもその傾向があります。

当社で定期的に官能評価試験を行いますが、

長期摂取試験、

毎日連続で卵を食べ続けて

評価をした場合において、

2週間以上続けると

ゆらぎの大きな自然飼育農場産の

卵の方が評価が上がってくる、

そんな傾向の評価結果があります。

お母ちゃんの家庭料理のように、

ゆらぎが体に合うから…かもしれません。

毎日食べる「卵」については

重要な要素じゃないかと思います。

 

セブンイレブンが

黎明期にコンビニおにぎりや

蕎麦をヒットさせた背景に、

このゆらぎの活用があったことは有名です。

 

包装前にかならず人が

おにぎりをギュッと握りなおす、

 

麺のカットの際に

あえて不ぞろいとなる工程を入れる、

 

たったそれだけで

飽きのきにくい「自然さ」を

人は感じるわけです。

 

もちろん安定した品質、

温度調節した飼育条件の卵は素晴らしいです。

 

でも、暑い時には暑さに合った味、

寒い時には寒さに合った味になってくれる

自然のコンディションを活かす卵、

 

食べる者とおなじ気候に住む

そんな鶏さんから生まれる

自然な味である

「季節一番の卵」は

 

「いつもおいしいな。」と

無意識に思ってもらえる魅力になり得ます。

ぜひメニューでの卵選びの際に

ご一考を。

 

ここまでお読みくださって、

ありがとうございます。

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまご全般コラム2021年12月18日