小林ゴールドエッグ

ソムリエ日記SOMMELIER DIALY

「アレルギー患者が食べられる卵」報道について

こんにちは! こばやしです。

さて、少し前の報道なんですが、どうしても書きたかったので、時期おくれでご紹介します。

先月の終わりごろ、下記のようなニュースが、TVや新聞で報道されました。

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「アレルギーでも食べられる卵」にご注意を 消費者庁 – MSN産経ニュース 2010.10.29
「アレルギー患者が食べられる」とうたった卵をインターネット上で販売している業者が9月に少なくとも6件見つかったとして、消費者庁は29日、卵アレルギー患者は医師の指導なしに食べないよう注意を呼び掛けた。

同庁によると、卵アレルギーの原因となるのは卵の主成分で、重症の場合は呼吸困難などになるため患者は卵を食べられない。だが、これらの業者は「卵アレルギーだった息子も、この卵だけは食べられる」といった体験談を紹介。「子供さんのアトピーが出ない」などと、患者でも食べられるかのような表現を使用していた。

同庁は食品衛生法違反の恐れがあるとして、業者に表現を修正するよう指導している。
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/101029/sty1010291618005-n1.htm 

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これは、以前にも当日記で書きましたがそのとおりで、

現状アレルギー症状が出ない卵は存在しません。

再掲載になりますが、

(1) たまごアレルギー症状を示すタンパク質は、反応の強弱併せて全鶏卵中の65%もあること

(2) それだけ多量の成分が、たかだか水や飼育環境、飼料を変えただけで変性してしまうことはあり得ないこと

 この点は、今後類似の商品が出たときのためにも心に留めておいてください。

「アレルゲンフリーたまご」の開発はワクチン培養など医療用を目的に研究がすすんでいます。

あくまで医療分野が先行です。

量産されれば、おそらく大々的なニュースになるはず。

そのような聞き覚えがないのに、「大自然のなかで飼っているから」 「◎Xウォーターと△△の飼料で育て上げた」などの唄い文句と共に、このような「アレルギーの症状が出ない卵」が販売されているなら、これはまず疑ってかかっても間違いはないでしょう。

(現状でアレルギーの方にたまごを食べてもらう方策は、下記リンク先に書きました。ご参照下さい。)

商売柄、たまごアレルギーの方のお話はよくうかがいます。

本当に大変そうで、胸が痛みます。

その悩みに付け込んでダマすやり口には、非常に憤りを感じます。

イメージだけでなく、正しい情報を知ってもらいたいと思い、再度のエントリーを書きました。

ここまで読んで頂いて、ありがとうございます。

 

 (関連日記)アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その1– たまごのソムリエ 小林真作 小林ゴールドエッグ 
 (関連日記)アレルギーの人に卵料理を楽しんでもらう三つの秘策:その2
(関連日記)アレルギーと卵の関係(追記) 

カテゴリー | ソムリエ日記 , たまごの健康情報(研究など)2010年11月13日